倉田比羽子
骸骨、骸骨…。穴ではない、それは瞳。私たちは見つめられている。穴ではない、それは口。かつて声を発し言葉を紡いだ舌。そこから風の音を聞いた。山崎佳代子
骸骨先生は、そうして、このろくでもない世界のろく粕谷栄市
危ないじゃないか!
生れ落ちて、空のてっぺんから墜落して
そろりそろりとこの坂を下っているんだから
そんなに急ぐなよ
いつか空を飛ぶかもしれないんだから
未来が眼前の深淵と化した日から、
新たな人間として、跛の足で歩き出す老人。
稼動中の生命の分解作用を見据えながら、
生の終盤戦に没頭する。