ソスソスソスソスソスxソスソスソスqソスソス句

August 2182015

 羽抜鶏走れ痛いの痛いの飛んで行け

                           正木海彦

になると多くの鳥は冬羽から夏羽へと抜け替わる。この頃の抜けた後羽のまだ整わない鶏が羽抜け鶏。時期は種類により異なる。鴨や雁は秋口になって風切羽や尾羽も完全に抜け替わる。夏場、とりわけ鶏などは暫しのあいだ威厳を無くした滑稽な姿を晒すことになる。元々飛べるはずも無い鶏が赤い素肌を露出して地面を走っている。おお痛そうとは思うが、鶏冠の色まで艶がうせてしょぼしょぼ歩く姿にどこか頬笑みたくなってしまう。滑稽とはいえ第三者である人間から見ればその痛た痛さには思わず幼児言葉で呟いてしまうのだ。他に堀越せい子氏の<眼光はピカソのごとし羽抜鶏>加藤富美子氏の<羽抜鶏なほも律儀に産卵す>成田照男氏の<羽抜鶏男は無口通しけり>などなどあり。『新版・俳句歳時記』(2001・雄山閣)所載。(藤嶋 務)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます