国会論議。どんな理由にせよ戦争はイヤだ。という議員が皆無。(哲




2015ソスN5ソスソス29ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

May 2952015

 青鷺の常にまとへる暮色かな

                           飛高隆夫

鷺は渡りをしない留鳥なので何時でも目にする鳥である。東京上野の不忍池で観察した時は小さな堰に陣取り器用に口細(小魚)を抓んでいた。全長93センチにもなる日本で最も大きな鷺であり、餌の魚を求めてこうした湖沼や川の浅瀬を彷徨いじっと立ち尽くす。その姿には涼しさも感じるが、むしろ孤独な淋しさや暮色を滲ませているように感じられるのである。他にも<藤垂れて朝より眠き男かな><耳うときわれに妻告ぐ小鳥来と><よき日和烏瓜見に犬連れて>などが心に残った。「暮色」(2014)所収。(藤嶋 務)


May 2852015

 ふぐの子のちちのむやうにくちうごく

                           榎本 享

ぐは猛毒を持つが美味で、その顔を正面からまじまじ見ると目が大きくてユーモラスな表情をしている、句の眼目は大きなふぐでさえ、もごもごと口を動かす様子が愛嬌があるのにそれが赤ちゃんふぐというところだ。「ちちのむように」とその動きを具体化し、全体をひらがな表記の柔らかさが赤ちゃんふぐのいとけなさを表しているようである。日本の近海にはトラフグだけでなく様々な種類のフグがいる。ふぐ料理は冬が本番ではあるが、クサフグなどは6月あたりに集団で波打ち際に押し寄せて産卵をするらしい。無事生まれた赤ちゃんふぐたちは大海で生き抜くべく一生懸命口を動かしながら泳いでいることだろう。『おはやう』(2012)所収。(三宅やよい)


May 2752015

 景気よく閉す扉や冷蔵庫

                           徳川夢声

この家庭でも、冷蔵庫が季節にかかわりなく台所のヌシになってから久しい。「冷蔵庫」が夏の季語であるというのは当然だけれど、今どき異様と言えば異様ではないか。同じく夏の季語である「ビール」だって、四季を通じて冷蔵庫で冷やされている。飲んべえの家では、冷蔵庫のヌシであると言ってもいい。だから歳時記で「冷蔵庫」について、「飲みものや食べものを冷やして飲食を供するのに利用される。氷冷蔵庫、ガス冷蔵庫などもあったが、今日ではみな電気冷蔵庫になり、家庭の必需品となった。」と1989年発行の歳時記に記されているのを改めて読んでみると、しらけてしまう。1950年代後半、白黒テレビ、電気洗濯機とならんで、電気冷蔵庫は三種の神器として家々に普及しはじめた。冷蔵庫の扉はたしかにバタン、バタンと勢いよく閉じられる。普及してまだ珍しい時代には、家族がたいした用もないのに替わるがわる開閉したものだ。せめて冷蔵庫の扉くらいは「景気よく閉す」というのだから、景気の悪い時代に詠まれた句かもしれない。辻田克巳には「冷蔵庫深夜に戻りきて開く」という句がある。『文人俳句歳時記』(1969)所収。(八木忠栄)




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