公道上の郵便ポストの95パーセントが道交法に触れるんだそうな。(哲




2015ソスN2ソスソス26ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

February 2622015

 東京に変あり雪の橋閉す

                           高橋 龍

和11年2月26日、東京で一部青年将校によるクーデターがあった。歴史の教科書や三島由紀夫の小説などで読んだ乏しい知識しかないが、東京は雪で戒厳令下の状態だったという。この句の前書きには「小学校入学前の身体検査雪深く父に背負われて行く。帰路知り合いの巡査にあう、東京に大事件発生、東京に通ずる橋を閉鎖すると」とある。いつもと同じように登校や出勤をしてきたものの真っ白に雪の降り積もった橋は誰一人渡ることなく通行止めされているのだろう。物々しい警戒の中、住民たちは時代が変わりつつある不吉な予感を抱いたのではないか。普段の日常が突然閉ざされる事件の突発はフランスでのテロ事件を引くまでもなく今の日本でも日常が激変する事件が容易に起こり得るかもしれない。『十余二』(2013)所収。(三宅やよい)


February 2522015

 春待つや寝ころんで見る犬の顔

                           土屋耕一

だ寒さは残っているが、暖かい春を待つ無聊といった体であろう。忙しい仕事の合間の時間がゆったり流れているようだ。下五は「妻の顔」でも「おやじの顔」でもなく、「犬の顔」であるところに素直にホッとさせられる。耕一は犬が好きだったのだろうか。この句をとりあげたのには理由がある。よく知られている「東京やなぎ句会」とならんで、各界の錚々たる顔ぶれが集まった「話の特集句会」があることは知っていた。現在もつづいている。そのリーダー・矢崎泰久の新著、句会交友録『句々快々』を愉快に読んだ。同句会は1969年1月に第一回が開催されている(「東京やなぎ句会」も同年同月にスタート)。そのとき兼題は五つ出され、「春待つ」はその一つ。耕一はコピーライターで、回文の名手で知られた。例えば回文「昼寝をし苦悩遠のく詩を練る日」もその一つ。回文集のほか、句集に『臨月の桃』がある。俳号は「柚子湯」(回文になっている)。第一回のとき、同じ兼題で草森紳一「長いカゼそれっ居直って春待たん」、和田誠「春を待つ唄声メコンデルタの子」他がならんでいて賑やかだ。この日の耕一には「ふり向けばゐるかも知れず雪女郎」の句も(こちらは兼題「雪女郎」)ある。『句々快々』(2014)所載。(八木忠栄)


February 2422015

 雪解風産着のにほひのせてくる

                           福谷俊子

が降らない場所に生まれ育ったこともあり、雪解風という実感は残念ながら分からないが、それは待ちこがれたものであり、厳しい季節の終わりを告げる嬉しい知らせであることだけは理解する。やや逸れるが、一番好きな匂いという質問のなかで、「雪が降る前の匂い」という答えを見つけた時、雪国生まれの友人が「わかるわかる」と頷いたのち、「絶対に説明できない」と言い放ったことなども思い出しつつ、雪への羨望は深まるばかりだ。掲句によって雪解の時期に吹く風は、清潔な産着の匂いがもっともふさわしいものだと知った。雪解風とは春の赤ん坊を包んでいるのだと気づくと、その匂いはしごくもっともで、健やかさと幸せにふたたびうっとりと思いを馳せるのである。〈さよなら△またきて□鳥雲に〉〈名を知らぬ星がいつぱい朱欒咲く〉『桐の花』(2014)所収。(土肥あき子)




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