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February 1422015

 バレンタインデー耳たぶに金の粒

                           佐藤公子

レンタインデーは、さまざまな変遷を経て今日に至っているが多くの女性は<いつ渡そバレンタインのチョコレート >(田畑美穂女)に思い出す一コマがあることだろう。掲出句の作者にとっても、そんな密かなドキドキは遠い思い出か。たまたま行き合わせたバレンタインデー直前のデパ地下、いつもの売り場がチョコレートで埋め尽くされている。そうかしまった、出直そう、と思いながら、チョコレートに群がる女の子達を見ている作者。やわらかい耳たぶに刺さって光る金のピアスは彼女達の若さの象徴であると同時に、その若さを目の当たりにした作者のもやもやとした何かを呼び覚ましたのかもしれない。私だって昔からおばあさんだったわけではないのよ、とは八十六歳の母の口癖だ。『松の花季語別句集』(2014)所載。(今井肖子)




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