はやくも桜開花予想。東京地方は3月24日。他地方も平年並みか。(哲




2015ソスN1ソスソス24ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

January 2412015

 日脚伸ぶとは護美箱の中までも

                           坊城俊樹

年中で最も寒いと言われる大寒から立春までのこの二週間余りだが、日脚が伸びたことを実感するのもこの頃合いだ。昼間の時間が長くなるのはことに日が沈むのが遅くなるからだろう、たとえば今日一月二十四日の東京の日の入りの時刻は午後五時、松が取れる頃に比べると約二十分遅くなっている。掲出句、たとえば書斎で仕事をしているのか、あるいは公園を散歩しているのか、ふと時計を見るともう五時、なのにまだ仄明るい。少し前まで五時になったら真っ暗だったのにな、と思うとじわりとうれしく日脚が伸びたことを実感している。ゴミ箱は護美箱となって、捨て去られたゴミがそのじわりを受け止めているように感じられるがそれにしても、護美箱、とはよくできた当て字だとあらためて思う。『坊城俊樹句集』(2014)所収。(今井肖子)


January 2312015

 冬夕焼鴉の開く嘴の間も

                           小久保佳世子

っ赤な夕焼けが真っ黒な鴉の嘴の間から見えたという。夕焼けと言えば夏場の季語だが冬の夕焼けも心細くなるほど感傷的に美しい。寒中の夕焼けはその短さゆえいっそう心に沁みてくる。鴉の成鳥は口の中も黒い。その開いた暗黒へ赤い夕陽が射している。ここにも一つの夕陽の美あり、人それぞれに小さな発見をし感心するものある。それがその人のアングルというものであろう。因みに鴉にはざっくり言って嘴の太いハシブトガラスと細ハシボソガラスが居るが、ここはハシブトカラスとみておこう。他に<涅槃図へ地下のA6出口より><アングルを変へても墓と菜の花と><人間を信じて冬を静かな象>などあり。『アングル』(2010)所収。(藤嶋 務)


January 2212015

 雪の教室壁一面に習字の雪

                           榮 猿丸

庭一面に降り積もった雪、体育館も渡り廊下の屋根も雪で覆われている。人いきれで曇った窓を手で拭って見ると普段の学校とは全然違う景色が広がっている。そして、教室の後ろの壁一面には生徒たちが習字の課題で書いた「雪」が黒々と張り出されている。40枚近く連続した「雪」「雪」「雪」の文字が様々な書きぶりで踊っているのだ。生徒たちでにぎわう教室より、授業が終わって閑散とした薄暗い教室で降る雪と壁面いっぱいに張り出されている「雪」に囲まれている情景を想像するとより印象的で、映画のワンシーンのようだ。「雪の教室」という出だしと結語の「習字の雪」というリズムも響きも良くて一読忘れがたい句である。『点滅』(2013)所収。(三宅やよい)




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