憲法改悪を許すな。戦争の怖さを知らない人々の想像力に期待。(哲




2014ソスN5ソスソス3ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

May 0352014

 暖かき雨の降りをり鍋に穴

                           玉田憲子

のアルミの鍋は使っているうちに小さな穴が開いてしまうことがあった。吹きこぼれてもいないのにジュージュー音がするので、おかしいなと鍋を洗って透かして見ると光が漏れている。しばらくその光を見つめつつ、少し情けなくもありながら、この鍋もよく使ったなあと感慨深かったりしたものだ。雨が降っているというかすかな憂鬱、でもそれが春の雨であるという明るさ、その両方をつなぐ小さな鍋の穴である。なべにあな、とつぶやくとなんとなく微笑んでしまう。気がつけば我が家の台所にはもう古いアルミ鍋はなく、穴をあけるなんてとても無理という厚底鍋ばかりになってしまったが。『chalaza』(2013)所収。(今井肖子)


May 0252014

 大根の花や青空色足らぬ

                           波多野爽波

根は種を採るため畑に残したものに、春、十字状の小花をつける。白色のものや紫がかったものもある。青空との比較から考えると、白色の花の方がイメージしやすい。本来は、花の白と空の青で明確な対照を描くはずだが、透き通るような青空ではなく、いくぶん、澱んでいるのだ。下五では、そのような情景を「色足らぬ」といささか主観的に表し、残念な気持ちを表白している。『湯呑』(昭和56年)所収。(中岡毅雄)


May 0152014

 ものを言ふ豚の尻尾や五月晴

                           大谷のり子

尾とは不思議なものだ。動物の感情表現なのだろうが、尻尾を振っているからと言って歓迎されているとは限らない。犬などは、恐怖のあまり近づくなと言っているときもあって、その場合はたいてい頭を低く構えて戦闘体制に入っており、手を出せばガブッとやられる。くるくるっとかわいらしく巻いた短い尻尾を持つ豚の場合は噛むなんてことはないだろうが、やっぱり嬉しいときに尻尾を振るのだろうか。言葉を持たない動物が気持ちを伝える健気な尻尾。養豚場でひしめくように飼われている豚しか見たことがないけど、放し飼いにされている豚もいるようで、そんな豚たちが良く晴れた草原を短い尻尾を振りながら寄ってくる様を想像すると、気持ちがいい。『豚の睫毛』(2013)所収。(三宅やよい)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます