医療保険料を放っておいたら延滞金がついてしまった。(哲




2014ソスN3ソスソス9ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

March 0932014

 集つて散つて集まる蕨狩

                           宇多喜代子

ジオ体操のような句の作りです。前半の動作が後半でくり返されるところが似ています。このように感じるのは、日本的な集団主義のおかしさがみてとれるからでしょう。仲間同士か町内会の行事か、参加者を募って車を手配し、蕨山まで団体行動をとる。ここまでの手配と段取りは、律儀な幹事が取りまとめ、参加者はそれに従います。しかし、「散つて蕨狩」をする段になると、狩猟採集本能がよみがえってきて、我先に蕨を獲得しようと躍起になる者もあらわれます。日本人は、このように自然と向き合うときに、集団から解放された自身にたちかえられるのかもしれません。しかし、集合の時間になると、皆整然と集まり、一緒に来た路を帰ります。この行動様式は、小学校の遠足にも似ているし、大人のツアー旅行にも似ています。句会も吟行も同様です。掲句がもつ、集合と拡散と集合の運動に、読む者をほぐすおかしみがあるのでしょう。『記憶』(2011)所収。(小笠原高志)


March 0832014

 啓蟄や土まだ知らぬ嬰の足

                           吉田一郎

どりごの手足は、小さいのにちゃんと手足という当り前のことも含め、限りなく愛おしい。目の前に置かれたそんな手足を見つつふと自分の足に目をやれば、長きにわたり大地を踏みしめ自重を支え続けてきた我が足は逞しく、足の裏は固い。この子もやがて自分の足で立ち様々なことの待つ人生を歩いていくのだ、と思うとより愛おしさが増すのだろう。雛を納めると啓蟄。最低気温が五度を下回らなくなるとそちこち冬眠から覚めるらしいが、週間予報を見ても東京ですらまだまだ寒い。この先、冬と夏が長くなり春と秋は短くなっていく、などという説もありやれやれだが、それでも日々明るい何かを待ちながら過ごす三月である。『未来図歳時記』(2009・ふらんす堂)所載。(今井肖子)


March 0732014

 鳥の巣に鳥が入つてゆくところ

                           波多野爽波

の巣は、春の季語。鳥がちょうど、巣に入っていく瞬間を捉えた。通常ならば、「鳥の巣に鳥が入つてゆきにけり」としてしまいがち。しかし、それでは、単なる事実の報告になってしまって、面白味がなくなってしまう。下五「ゆくところ」の「ところ」という把握と描写に、的確な写生の醍醐味を感じる。『鋪道の花』(昭和31年)所収。(中岡毅雄)




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