参院選公示日。都議選は棄権したけれど、今度は投票する。(哲




2013ソスN7ソスソス4ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

July 0472013

 いっぱいの打水宇宙ステーション

                           紀本直美

いた庭に打水をする。水が黒い後になって点々と敷石に散り、土を濡らし、庭木の葉を濡らし、湿った水の匂いが立ち上る。マンション住まいになってから如雨露で植木に水をやることはあっても、庭に打水をする。玄関の掃除のあとにちょいと水を撒く、あの気持ちよさは味わえずにいる。それにしても打水から宇宙ステーション。この大胆な飛び方に脱帽。俳句の枠組みに頭を縛られていると出てこない発想だ。確かに点々と乾いた土に広がる水の跡は暗黒の宇宙にさんざめく星々のきらめき。そして回転しながら水を撒いてゆく私そのものが宇宙ステーションなのかもしれない。そんな想像に身をゆだねて勢いよく水を撒けば、ますます打水が楽しくなりそうだ。『さくさくさくらミルフィーユ』(2013)所収。(三宅やよい)


July 0372013

 夏の旅雑技(サーカス)の象に会ひてより

                           財部鳥子

性六人(高橋順子、嵯峨恵子、他)による歌仙「上海渡海歌仙・雑技の巻」の発句である。いずこのサーカスにせよ、サーカスの〈花〉は何といっても象である。馬や熊、ライオンなど多くの動物が登場しても、あの巨体でのっそりとけなげな芸を披露してくれる象こそ、サーカスの花形であることはまちがいあるまい。上記の歌仙に付して森原智子が「いつか中国旅行の途次、財部鳥子、高橋順子といった方たちと歌仙を捲いたことがあった…」と書いている。この歌仙全体を読みこんでみると、遣われている言葉から推して、どうやら中国旅行に出かけたときの成果のように思われる。この発句は旅先上海への挨拶であろう。私事になるが、十数年前に鳥子を含む詩人たちで中国を公式訪問した際、サーカスではないけれど、上海雑技団のいくつかの曲芸などの舞台公演を見て、その高度なワザに度肝をぬかれた思い出がある。掲句は、やはり「象に会ひて」より上海雑技(サーカス)は始まり、旅が始まったということなのだろう。どこかしら夏の旅心も異国にあって、うれしそうにはずんで感じられる。歌仙での鳥子の俳号は杜李子。同じ歌仙の「月」の座で、杜李子は「満月をそのままにして子は眠り」と付けている。『歌仙』(1993)所収。(八木忠栄)


July 0272013

 紙袋に子犬をもらひ日日草

                           小谷延子

年1月に12年飼っていた三毛猫を亡くし、しばらく味気ない生活を送っていたが、先月、三毛と白黒の姉妹を引き取った。2匹は一向に緊張する様子もなく、移動中もキャリーバックのなかでもくんずほぐれつ動き回る。そんな様子を思い出し、掲句にまず驚いたのは紙袋である。猫だったらそれはもうたいへんな事態になることは必至であろう。おそらくこの子犬、血統書などとは縁遠く、生まれちゃったからもらってくれない?という願いのもとに作者の手に渡ったのだろう。それも、たまたま立ち寄った行きがかり上という気配すらある。しかし、日日草の斡旋によって、双方にとって幸せな出会いだったことがわかる。紙袋のなかでじっと不安そうにしている子犬も、すぐに飼い主になつき、新しい散歩道で新しい友達に出会うことだろう。暑さに強く、次々と鮮やかな花を咲かせる日日草が、子犬の健やかな成長を象徴している。『楓の実』(2013)所収。(土肥あき子)




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