退職シニアに向けて「純喫茶」が復活しつつあるそうな。朗報。(哲




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January 1812013

 かなしめば妻はこもれり冬灯の環

                           並木鏡太郎

雷集、一句欄に京都からの投句。鏡太郎さんは1902年生まれ2001年没。京都のマキノプロに入社して映画監督になり嵐寛寿郎の「鞍馬天狗」シリーズをヒットさせた。このシリーズは40本以上製作され子役の「杉作」を美空ひばりが演じている巻もある。その後鏡太郎さんは東京に移られ毎月寒雷の句会に出席された。痩身でベレー帽に長いコート、いかにも映画人の風貌。披講の折、自分の句が読まれるとひとこと「カガミ」と名乗られた。奥さんは津路清子という芸名の女優。日本映画隆盛の時代の人気監督を影で支えている妻の存在がうかがわれる。「寒雷・昭和十八年三月号」(1943)所載。(今井 聖)


January 1712013

 いくたびも名を呼び冬の星増やす

                           月野ぽぽな

書きに「コネチカット銃乱射に倒れた子供たちの冥福を祈り」とある10句のうちの最終に置かれた句。12月14日にアメリカで起きた20人の児童を含む26人が犠牲になった事件を悼んでの連作である。この事件で連想されるのは2001年6月に起こった池田小学校の事件だが、当時中学校に勤めていた私は突然教室を襲う暴漢に対処する訓練を受けた。そのとき生徒の立場で最後尾の列に座っていた私は教室後部のドアをいきなりあけて飛び込んできた暴漢役の先生が手に持つ武器で「あっ」という間もなく刺されていた。訓練だとわかっていても襲われた瞬間の恐怖は忘れられない。子供たちはどんなにか怖く痛かったことだろう。恐怖のうちに凶弾に倒れた子供たちを思うと、何ともいえない心持になる。この「何ともいえない」心持ちを俳句に託し読み手へ差し出すまでの道筋は遠い。言葉は正直なので薄っぺらな同情や偽善は炙り出されてしまう。連載された10句そして、掲句からは理不尽な凶弾に命を奪われた子供たちに対する作者の憐憫がひしひしと感じられる。俳句でこうした事件を詠む困難さに躊躇する前に暖かな感情を込めた言葉が動く作者の在り方に深く敬服する。『里』(2012/12月号第3巻第17号 通巻第117号)所載。(三宅やよい)


January 1612013

 阿武隈や朝靄に溶く白き息

                           増田明美

美は言うまでもないけれど、日本を代表する元マラソン・ランナー。引退するまでの13年間に日本最高記録を12回、世界最高記録を2回更新した逸材である。現在はスポーツ・ジャーナリストとして活躍中だ。この人のマラソンを主としたスポーツ解説は押し付けがましくなくて、とてもていねいでわかり易い。いつも安心して聴いていられる。彼女は現在も毎日一時間はジョギングを欠かさないという。「走って俳句を作る“ジョギング俳句”を楽しんでいます」という。冬の早朝、福島県阿武隈川の堤防を走っているのだろう。厳しい寒気のなかでせわしなく吸う息・吐く息が、刻々と朝靄にまじり合う。吐く息が朝靄に溶け合って白くなって行く、という早朝の健やかな光景である。熱心に走っている本人は決してラクではないだろうけれど、どこかしら張り切って楽しんでいる表情も見えてくるようだ。金子兜太はこの句を秀逸と評価して、「体に柔らかい美がたまっていると思った」「言葉が自ずから美しく響いてくる」と評言している。明美は「カゼヲキル」という小説も刊行した才人である。他に「エプロンで運ぶサラダは春キャベツ」という女性らしい句もある。『金子兜太の俳句塾』(2011)所載。(八木忠栄)




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