「一人で外出していますか」。市から介護予防チェックリストが。(哲




2012ソスN2ソスソス19ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

February 1922012

 きさらぎの藪にひびける早瀬かな

                           日野草城

月のやわらかな光をうけて、冬に萎(しお)れていた藪(やぶ)も輝いている。藪のむこうからは、早春の雪解け水が足早に流れる音が聞こえてくる。春を告げる音のように。せせらぎはこちらからは見えず、ただ音が聞こえるばかりですが、光をこまやかに反射しながら流れているさまが目に浮かびます。音が光を発生させているような、早瀬の振動が藪に響いて光を拡散させているような、そんな読み方も許されるように思われてきます。現代のメディアアートには、デジタルの特性を活かして、視覚を聴覚化し、聴覚を視覚化する作品が多く発表されています。たとえば、坂本龍一がピアノの鍵盤を叩くとその音に反応して、スクリーン上に線と色彩が鮮やかに映像化される岩井俊雄の作品が有名です。掲句に も、そのような仕掛けが施されているのではないでしょうか。つまり、「ひびける」は、「日日」と「響」の掛け詞なのではなかろうかと。だから、作者・日野草城は「ひびける」をひらがな表記にしたのではないでしょうか。きさらぎ・二月の日の光は、藪の輝きと、雪解け水の音づれをたまわれました。『草城句集(花氷)』(1927)所収。(小笠原高志)


February 1822012

 小さくて大きなバレンタインチョコ

                           山本素竹

ョコレートで埋め尽くされていたデパ地下も、やっと平常の落ち着きを取り戻してやれやれ、といったところ。作者は筆者とほぼ同世代なので、現在のバレンタインデー事情とはだいぶ異なっていたのだろうと分かる。義理チョコ、友チョコ、自分チョコ、など少なくとも私の記憶にはない。好きな人にひとつだけ買って渡した覚えはあり、友人が学校では恥ずかしくて渡せず、それでも今日中に渡したいからつき合って、と言われて住所片手にうろうろ家を探した思い出も。携帯電話の無かった昭和四十年代の話だ。そんなあれこれをひょいと思い出させてくれたこの句、単純な言葉の対比が心の中で大きくふくらんで、ほのぼのしつつ、俳句ならではの表現と思う。『百句』(2002)所収。(今井肖子)


February 1722012

 一草も眠らず朧月夜なり

                           島田葉月

の夜の万象萌え出づるがごときざわめきが聞こえてくる。一草も眠ることがない。これは躁の句だ。ハイテンションそのもの。眠らなくても良ければ人生は二倍生きられる。不夜城という言葉もある。春宵一刻値千金、だから眠らずにいようよという句。不眠不休じゃいやだけど。『闇は青より』(2012)所収。(今井 聖)




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