ようやく「秋晴れ」が実感できる季節になりました。さわやか。(哲




2011ソスN9ソスソス24ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

September 2492011

 ぽんとトースト台風は海へ抜け

                           原 雅子

さに台風が駆け抜けた今週だった。台風一過にしては暑さが残ったが、空は秋、翌日早朝の鰯雲に小さな月が漂っていた。文字通り海に抜け、やがて消えてしまう台風だが、あっけらかんと晴れるその感じが、ポップアップトースターの、ぽん、にぴたっと来る。今はオーブントースターが主流だけれど、昔は我が家でもトーストはぽんと飛び出ていた。楽しいし、食パンをトーストすることに特化している分、断然おいしいというポップアップ式。こんがり焼けて飛びだしてきたトーストでなくては、こんな句も生まれない。『束の間』(2011)所収。(今井肖子)


September 2392011

 デズニーに遊び小春の一と日かな

                           高浜年尾

のデズニーランドは本家本元。アメリカ、カリフォルニア州アナハイムにあり1955年に開園。年尾は1970年70歳のときにアメリカ旅行でここを訪れている。花鳥諷詠の俳人も遊園地を詠むんだな、70歳になっても遊園地に行くんだな、アメリカに行っても「小春」という季語を使うんだな、ディズニーと言わずデズニーと言ったんだな、そんなこんなも含めてこの俗調が持つ俳句の臭みにどこかやすらぎのようなものも感じる。日本の演歌やアメリカのカントリーウエスタンがどれも似たような歌詞やメロディーであることに安堵を感じるのと似ているような気がする。「一と日」も「かな」も諷詠的趣で対象とミスマッチな感があるがそこがまたなんともカワイイではないか。朝日文庫『高浜年尾・大野林火集』(1985)所収。(今井 聖)


September 2292011

 勉強の灯かと見て過ぐ秋黴雨

                           原 雅子

走台風の影響か、ここ数日雨が続いている。「秋黴雨」は「あきついり」曇りがちで小雨がじとじと降る梅雨のような長雨を言うが、俳句以外ではあまり出会わない言葉かもしれない。秋めいてくると夕暮れが短くなるが、雨の降る日はいっそう暗くなるのが早い。近所の家の一隅に電気がついている。そういえば元気よく外で遊んでいたあの子も受験の頃、早々と灯された部屋に思いをはせているのだろう。煌々と照らした塾に通うのが今風かもしれないが、昔は試験勉強や受験勉強は、孤独な作業だった。眠たい目をこすりながらいつまでも消えない同級生の勉強部屋の窓の灯が気になって仕方がなかった。遠い歳月の彼方に自分も点した「勉強の灯」。ちらっと見やった眼差しに暖かさが感じられる。『束の間』(2011)所収。(三宅やよい)




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