都知事選ポスター掲示板が建てられた。忘れてたよ、選挙。(哲




2011ソスN3ソスソス19ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

March 1932011

 ほつとする出逢ひに似たり春の月

                           嶋田一歩

は季節がめぐると共に、その色調や明るさなど印象が変わってゆく。すこし潤んだ春の月は、どこか心許なく見えたり、ふいに寂しくなったり、この句の作者のようにほっと安らぎを覚えたり。見上げる人の心持ちを映しながら、今日も変わらず夜を照らす。晴れていれば円かな月があるはずの今宵、願いと祈りをこめて空を仰ぎたい。『夕焼空』(1985)所収。(今井肖子)


March 1832011

 ひばり鳴け母は欺きやすきゆゑ

                           寺田京子

というものは欺きやすいものであろうか。女は弱しされど母は強しという。男からみると恋人や妻は強く恐い存在であり、母は無条件で許してくれる存在である。金子兜太の句に「夏の山国母いてわれを与太と言う」。与太と言われようと子は母の愛情を疑うことはない。この句は娘という立場から母をみている。同性から見た母は息子から見た母とはかなり違うのだろう。ひばり鳴けという命令調にその微妙な感じがうかがわれる。『冬の匙』(1956)所収。(今井 聖)


March 1732011

 時刻表レレレレレレレ春嵐

                           渡辺テル

車が通過するのを表す「レ」記号は片仮名のレに見える。通過駅を表すこの記号がいつから使われているのか鉄道に詳しい人ならわかるかもしれない。掲句は特急が警笛を鳴らしながら風を巻き起こして通過していく様子から嵐を想像したのか、レレレレと口ずさんでみれば特急に乗って旅している気分にもなる。昨年の7月時刻表を片手にローカル線を乗り継いで気仙沼、釜石を廻り遠野を旅した。先週の金曜日に強い揺れがおさまった直後、職場でつけたテレビで海鮮丼を食べた桟橋や宿泊したホテルが津波に飲み込まれてゆく映像を見て息をのんだ。海を見下ろす駅で、美しい景色を楽しむ観光客のために長めに停車してくれた三陸鉄道の運転士さん。旅先で出会った方々、どうかご無事でと祈るばかりだ。金曜日の午後を境にあのプラットホームから眺めた景色が消え心の冷える現実が残ったことが未だに信じられずにいる。「つぐみ」(2010.No103 10周年記念号)所載。(三宅やよい)




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