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April 0242010

 文弱の兄また兄に残花かな

                           藤原月彦

者は1952年生まれ。文弱という言葉を「詩語」として使える狭い範囲の世代である。戦前なら「文弱」は使用頻度の高い日常語。50年生まれの僕も父に「文学部なんか嫁入り道具、男が行くもんじゃない」と言われた。高校の頃、祖母に俳句が趣味だと言ったら呆れた顔をして、あとで「あの子は道楽もんのおじいさんの血を継いだこてね」と親戚中に嘆いてまわった。文弱という語を見つけたときは、父や祖母の時代の言葉だと思いつつ、その意味するところに新鮮な感じをもったものだ。高度成長期に就職期を迎えた世代から「文弱」は完全な死語になった。文学部は花嫁道具ではなくなった。「女の腐ったような」も「文弱」もその時代の状況や雰囲気を映し出す。月彦さんも僕も、かろうじて「文弱」が自覚できる世代。敢えて文弱になる決意をした最後の世代である。「俳句研究」(1975年11月号)所載。(今井 聖)




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