衆議院を解散するより先に自民党を解散しては如何。もはや烏合の衆也。(哲




2009ソスN7ソスソス18ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

July 1872009

 踏切を渡れば一気夏の海

                           大輪靖宏

んだか無性に懐かしい光景。水平線と入道雲を見ながら海へ向かう道、できれば少し上り坂がいい。単線の踏切にたどり着くと、目の前に真夏の海がひらける。線路がスタートラインであるかのように海に向かって走った夏。一気、の一語の勢いに、目の前の海から遙かな記憶の海へ、思いが広がってゆく。長く大学で教鞭をとっておられた作者だが、この句集『夏の楽しみ』(2007)のあとがきには「私は昔から夏が好きだったのだ。なにしろ、夏休みであるから働かなくていいのである」。そういえば、第一句集『書斎の四次元ポケット』(2002)に〈トランクをぱたんと閉めて夏終る〉の句があり、いたく共感した覚えがある。楽しい時間は、すぐ終わってしまう。八月になると、あっという間に過ぎる夏休み。今年は暦の関係で、17日に終業式の学校も多かっただろう。子供達も今が一番幸せな時だ。(今井肖子)


July 1772009

 客揃ひ団扇二本の余りけり

                           高田風人子

人客が来たかがわからないから団扇を何本用意しておいたのかもわからない。とにかく二本余ったのだ。「揃ひ」は予定通り客が全員来たということ。つまり、迎える側は客の数はわかっているのにそれに合わせて団扇を準備せず、いい加減に揃えて置いた。この句の眼目はそこにある。団扇というものは、まあ、いい加減にざっと用意しておく程度のもの。そう言われてみるとそんな感じもしてくる。団扇の数引く客の数イコール二という連立方程式の片方のような「数の不思議」を見せつつ団扇というものの本意を描く技の句だ。『ホトトギス俳句季題便覧』(2001)所収。(今井 聖)


July 1672009

 明易し小樽に船の名を読んで

                           ふけとしこ

樽駅の改札を抜けると広い坂下に青い海と港が見える。小樽はこじんまりしてどこか懐かしい雰囲気を持った街。伊藤整、小林多喜二、左川ちか、この地に育った文学者も多い。未知の土地を訪れ早く目覚めた朝、宿のまわりを散策するのは旅の楽しみの一つだ。夏暁のひやりとした空気の中をまだ人気のない運河沿いを歩いているのだろう。つれづれに停泊した船の横腹に書かれた名前を拾い読む。句を読み下せば「読んで」は「呼んで」にも通じ、船の名を読むと同時に呼び掛けているようなあたたかさを感じる。船の赤い喫水線に寄せては返す波、そしてかもめの声。船を起点として朝日にきらめく港の風景がよみがえってくる。いま時分の北海道はいちばん良い季節。夏の小樽のすがすがしい空気まで感じられるようだ。『インコに肩を』(2009)所収。(三宅やよい)




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