季語が四日の句

January 0411998

 四日はや過ぎたりただの冬の雨

                           中山純子

語は「四日」。一月四日のこと。ちなみに「元日」からはじまって「二日」三日」「四日」「五日」「七日」はすべて新年の季語である。「六日」はない。それほどに昔の正月の一週間は、毎日の変化があり、区別をすることができたのだろうし、その必要もあったと思われる。いまでも、普段の年なら「四日」は仕事始めだから、気分は三が日とは大違いだ。その意味では「四日」という季語は生きている。作者もそのことを言っており、仕事始めの嫌な雨に正月気分をすぱりと断ち切っているのだ。このように現実にすっと入っていけるのは、どうやら女性に特有の能力らしい。そこへいくと、男はだらしがなくて、アメが降ろうがヤリが降ろうが、なかなか正月気分から抜けきれないで、いつまでもグズグズしている。(清水哲男)




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