大スターがいないほうが、野球としては面白い。夜遅くまで堪能できた。




1997ソスN10ソスソス20ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

October 20101997

 からしあへの菊一盞の酒欲れり

                           角川源義

子和えの菊とは、菊の花をゆでて食べる「菊膾(きくなます)」のこと。私は三杯酢のほうが好みだ。作者ならずとも、これが食卓に出てきたら一杯やりたくなってしまうだろう。美しい黄菊の色彩が目に見えるようだ。「盞(さん)」は盃の意。山形や新潟に行くと、花弁がピンクで袋状になった「化白(かしろ)」という品種の食用菊が八百屋などで売られている。はじめて見たときは「何だろう」と思った。これまた風味よく美味。見た目から想像するよりもずっと味がよいので、山形では「もってのほか」と呼ばれている。三十代の頃にはよく訪れた山形だが、ここ十数年はとんとご無沙汰である。(清水哲男)


October 19101997

 いとしさの椎の実飛礫とどかざり

                           竹本健司

礫は「つぶて」。男女何人かでのハイキング。好意を抱いている女性が前を歩いている。ちょっと驚かせてやろうと、椎の実を背中めがけて投げつけたのだが届かなかったというだけの句。女性の気を引くために、男はしばしばこういうことをする。髪の毛を引っ張って泣かせたりする小学生も、椎の実を投げつけてみる大人も、この点では変わらない。このとき「いとしさ」をどれほど自覚しているか。そのあたりが、子供と大人の別れ目なのだろう。(清水哲男)


October 18101997

 ぎんなんのさみどりふたつ消さず酌む

                           堀 葦男

杏で一杯やっている作者。その実のあまりの美しさに口に入れるのがだんだん惜しくなり、最後の二つは残しておいて、今度はその姿をサカナに飲みつづけている。たしかに銀杏はこの句のように美しいし、この酒も美味そうだ。平仮名表記が、銀杏の色彩と感触をよく表現している。どうですか、今夜あたり銀杏で一杯と洒落れこんでみては……。電子レンジがあれば、拾ってきた銀杏を適当な封筒に塩少々と混ぜて入れ、密封してチンすれば出来上がり。つまり、銀杏が封筒の中で爆発するわけです。知り合いの主婦から教えてもらった。(清水哲男)




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