1996ソスN7ソスソス14ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

July 1471996

 水枕干されて海の駅にあり

                           摂津幸彦

とより西東三鬼の有名な句「水枕ガバりと寒い海がある」のもじり。ペチャンコになったゴムの水枕が、人気(ひとけ)のない海辺の駅舎の裏に、洗濯バサミで止められてぶらさげられている。作者の哄笑が聞えてくるよう……。季語はなけれど晩夏の句としたい。『鹿々集』所収。(井川博年)


July 1371996

 氷片を見つめ見つめて失いぬ

                           池田澄子

と人との付き合い方は難しい。ふとウィスキーグラスの中の氷片を見つめてしまった。カリリンという涼しげな音立てていた固体。形あるものもいつしか消えてしまう。でも、まあいいか。こんな句を作る女性ともう一杯。(八木幹夫)


July 1271996

 かき氷くづしどうでもよかりけり

                           奥坂まや

性でなければ、まずは絶対に書けない句。で、このかき氷をどうしたか。作者はきっと、たいらげてしまったはずである。すねているのか、かなり怒っているのか、そのへんの事情はわからない。けれども、男の場合は「くづし」たりもしない。手なんかつけないのだ。奥坂さんは神田神保町の生まれだそうだが、こういうときには、私だったらそれこそ神田の「ランチョン」あたりで、ひとりビールを飲むだろう。(清水哲男)




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