3月11日  木曜日




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「有吉九段が1000敗達成」と毎日JP。負けも「達成」なのかい。(哲


as the days go by _sekihan_

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小西鷹王

ライオンの柵の中なる花辛夷

まれ育った家が王子動物園の近くだったせいもあって動物園が好きだ。まだ車や街の騒音の少なかった夕暮れどきには風にのってあしかの声が聞こえてきた。あの頃見たライオンは狭い檻の中で窮屈そうだったけど、多摩動物園のライオンなどはかなり広い敷地に群れをなして飼われている。山のような起伏をもった場所に数頭飼育している動物園もある。掲句は「とべ動物園五句」と題された中の一句。生まれた時から飼育員に育てられた白クマのピースがいる動物園だ。囲われたライオンの柵の中にある樹木にも四季はめぐる。春が来て今までは何の木かわからなかったひょろひょろした枝に真白な辛夷がほころぶ。たまたまこの時期にライオンを見にきたひとは、しばし可憐な花にも見とれることだろう。日本特産の花を咲かせている庭の主人がアフリカから連れてこられたライオンなのだからその取り合わせにかすかなあわれも感じられる。今まではライオンにとって寒く厳しい毎日だったけど、これからは日に日に暖かくなる。明るい日差しにごろっと寝転んでサバンナの夢を楽しんでほしい。『小西鷹王句集』(2006)所収。(三宅やよい)





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  March 102010

寺田眉天

烏賊の足噛みしめて呑む春の雨

うまでもなく「烏賊の足」は飲み屋などでは「ゲソ」と呼ばれる。もともと鮨屋で「ゲソ(下足)」と呼ばれていた。煮てよし、焼いてよし、揚げてよし、ナマでもよし。この「ゲソ」なるもののおいしさは格別である。コレステロールが高いのなんのと言われても、つい気軽に注文してしまう。なかなかやめられない。とりわけ酒のつまみとして呑ンベえにはこたえられない! じっくり噛みしめることによって、海の香にとどまらず、その烏賊の氏素姓までがしのばれるような気がしてくる。掲出句は大勢でワイワイ宴会をしているというより、一人静かに居酒屋のカウンターで、とりあえず注文した「烏賊の足」(「ゲソ」とせず、こう呼んだところに烏賊に対する作者の敬愛を読みとりたい)をしみじみ噛みしめながら、独酌しているのだろう。外は小降りの春の雨。ーそんな風情を勝手に想像させてくれる。「烏賊の足」は居酒屋によく似合うつまみである。わけもなく、それとなく、酒を愛するオトナのうれしい酒のひとときが伝わってくる。眉天は寺田博。文芸誌「文芸」「作品」「海燕」の往年の名編集長だった。自らの著書に『ちゃんばら回想』『昼間の酒宴』他がある。この句、まさに「昼間のひとり酒宴」と読みとりたい。他に「雷(いかづち)の暴れ打ちして涼夜かな」がある。眞鍋呉夫・那珂太郎らの「雹の会」に属す。『雹』巻之捌(2007)所収。(八木忠栄)

[編集部より]作者の寺田博氏は、三月五日に逝去されました。76歳。謹んでお悔やみ申しあげます。



March 092010

金原知紀

枯るる草よりも冷たく草萌ゆる

読してはっとさせる俳句がある。掲句はまず「枯れ」を意識させたあとで、「草萌え」を見せる。そして光りを跳ね返すような生命感あふれる若草が冷たいというのだ。振り返って比較すれば、たしかにやわらかに日を吸う枯れ草の方がふっくらとあたたかいだろう。ありのままでありながら、その揺さぶりに読者は立ちすくむ。そして、発見の手柄にのみ満足してしまいがちであるなかで、掲句には春とはおしなべてあたたかなものであるという図式をみごとにひっくり返しながら、なおかつ鋭い草の力強い芽吹きが見えるという、ものごとの本質を言い得ていることが俳句として成立させる力となっている。春の息吹きにある健やかな成長とは、滑らかで温もりあるものにばかり目がいきがちだが、他者を押しのけるようなごつごつと冷たい乱暴な一面も、たしかにこの季節にはある。春という節目を通り過ぎた者だけが分かる、懐かしく甘酸っぱい冷たさなのかもしれない。集中の〈割るるとき追ひつく重み寒卵〉にも、発見とともに納得の実感がある。『白色』(2009)所収。(土肥あき子)


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