シンポ呼び掛け文
公開シンポジウム「自治と大学と社会」
〜駒場寮の過去・現在・未来〜
呼びかけ文
60余年の歴史の中で、いま駒場寮は最大の危機を迎えています。
東京大学教養学部が、当事者である寮生・学生にひたかくしにした上で拙速に「廃寮方針」を決めたのが91年10月。以来、寮生・学生の強い反対を全く無視したまま、96年4月には100名以上の寮生の生活を踏みにじって電気・ガスの供給を停止し、寮生にチェーンソーを振り上げて渡り廊下を一部解体するなど地上げ屋顔負けの強硬姿勢をとってきました。そしてついに97年2月、東京大学は駒場寮の「明渡し仮処分」に訴え、4月10日には、警備員450名を動員して、明寮寮生を叩き出したのです。
こうした東大当局の強硬姿勢にもかかわらず、「廃寮」反対の声は寮生・学生に引き継がれてきました。大学側の恫喝に屈することなく、駒場寮は毎年、新入寮生を迎え、93年、94年の学生ストに続いて、95年、96年には教養学部学生による全学投票が行われ、96年の投票では、四千の投票者の過半数が<駒場寮存続>を求め、75%が<電気・ガスの復旧>を要求しています。今年4月の明寮明渡しにもめげず、寮生は駒場寮存続に向けた粘り強く運動を持続しています。
またここに来て「廃寮計画」とその進め方には教職員層内部からも反発・疑問の声が出始めています。東大当局がこの春に動員した警備員の人件費だけでも1億円を超えるといわれ、6000万円程あれば駒場寮の全面改修が可能なことを考えれば、誰の目にも無駄づかいは明白です。駒場寮つぶしのために急遽でっち上げた「跡地」計画も、その杜撰さ・実現不可能性が日を追うごとに明らかになっています。総工費100億円のうち40億円を募金でまかなう予定だったのが、バブル崩壊のあおりで募金活動は中断されたまま、収支報告すらされていません。「廃寮計画」は今や暗礁に乗り上げた観があります。
「廃寮計画」を推進する「三鷹特別委員会」(小林寛道委員長)は、表向きは話し合い解決を標榜しています。しかし、これまでの6年間、「廃寮計画」を中断して話し合いがもたれたことは一度もなく、「廃寮決定」手続きをめぐる明らかな過誤についても一片の謝罪すらありません。「仮処分」による寮生排除に象徴されるのは、内容的な議論を極力避け、「既定方針」への反省をかたくなに拒み、「廃寮問題」を行政手続きの問題に切り縮める姿勢です。
「駒場寮経験」をもつ私たちは、大学当局のこうした姿勢に強い憤りを禁じ得ません。「廃寮問題」の真の解決は、学寮の大学教育における役割や社会的機能に関して理念を闘わせるところにしかありえません。駒場寮60余年の歴史と経験が、この自治空間を交差する人々に与えてきた意味、それがまともに議論されていないことに私たちは大きな危惧を覚えます。
「三鷹特別委員会」は、「21世紀のキャンパスを作るために」という話し方を好んでします。この世紀末的論法の誤りは、20世紀に対する評価も総括もまったく欠いていることにあります。私たちは、今いちど、この点に関して議論しておく必要性を強く感じています。駒場寮の歴史を明らかにし、現在の寮生・学生だけでなく来世紀の寮生・学生へとその意味をつないでいく作業が必要です。そこで、「駒場寮経験」を持つ方をパネラーに迎え、表記の要領でシンポジウムの開催を決意しました。駒場寮を経験してきた諸先輩方の経験に学び、この危機を乗り越えて駒場寮を発展させていくことができれば最高です。ぜひとも多くの方に参集いただき、経験を交流させ知恵を出し合う場にして行きたいと考えています。
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