駒場寮存続の論理と課題



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97・6・22「公開シンポジウム・第1部『駒場寮の現在』」駒場寮存続の論理と課題 | 資料1:配布文書 21世紀の学生宿舎を目指して | 資料2:配布文書 三鷹国際学生宿舎建設について|

97・6・22「公開シンポジウム・第1部『駒場寮の現在』」

駒場寮存続の論理と課題 

0 駒場寮問題は問題足りうるか?


「大きな問題」としての共有されがたさ
少数者ならざる少数者としての駒場寮
それでも駒場寮問題が「問題」足りうるのであれば、何が問題なのか。
  1. 社会における合意形成の問題
  2. 自然環境・生態系の問題
  3. 国家予算と国民、あるいは大学と国民国家
  4. 「開かれた大学」論

1 廃寮の論理と存続の論理(裏面参照:HTML版では下部)


 

1・1対比

[1]相部屋と個室──廃寮:現在の学生の「需要」・留学生の増加
  存続:相部屋の意義
  論点:「相部屋」を公共政策として推進することの是非
強制される共同性と強制された個別性
駒場寮の自由度の高さとそのためのコスト
[2]建物の老朽化──廃寮:老朽化・改修予算が付かない
  存続:老朽化はしていない
  論点:築60年経過したコンクリートの建造物には、老朽度調査をしなくとも取り壊し予算が付く。
取り壊し予算を根拠とした「老朽化」。実際の調査は行われていない。
[3]活動・交流機能──廃寮:別に代替可能
  存続:居住と一体であり、代替不可能
[4]跡地計画──廃寮:学生数増加によるキャンパスの狭隘化の解消
研究教育施設・福利厚生施設の充実 存続:予算化の可能性なし
[5]廃寮決定過程──廃寮:事前に相談しなくても特に問題ないが、行き違いはあった。充分学生の意見は聞いてきた。
  存続:計画を決定前に公開しなかったことの瑕疵
「合意書」違反
[6]寄宿舎機能──廃寮:本来の低所得層が入寮していない。
建物の古さや自主選考制に問題がある。
  論点:駒場寮文化と階級文化

 

1・2 廃寮の論理の背景


[1]三鷹寮敷地の不効率利用
[2]大学の意志

3 寮存続の論理として何を言ってはならないか


[1]「大学生・東大生であるから、より多く社会的資源の配分を受けるべきである」
[2]「一高以来の伝統」
 ☆一高エリーティズム批判と駒場エリーティズム批判

4 課題

 

4・1 寮存続の論理の理解可能性と不可能性

 

4・2 どのような駒場寮を望むか


裏面(HTML版では下部)=『学内広報』No.1071(東京大学広報委員会 1996.7.15)
「駒場キャンパス再開発と駒場学寮廃寮」より


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97・6・22「公開シンポジウム・第1部『駒場寮の現在』」駒場寮存続の論理と課題 | 資料1:配布文書 21世紀の学生宿舎を目指して | 資料2:配布文書 三鷹国際学生宿舎建設について|

資料1:配布文書

21世紀の学生宿舎を目指して
 教養学部は、三鷹寮敷地に留学生との混住の学生宿舎を建設する基本構想を固め、その実現に向けて努力してゆくことを決定した。
 現在、東京大学の留学生は大学院生を含めてすでに1,500人に連し、今後ますます急増することが予想されている。これら留学生のために快適で低廉な宿舎を準備することは、国際交流の基本条件の一つである。数年来の地価急騰のため、首都圏の住宅事情は極端に悪化し、外国人(とくに発展途上国からの)留学生にとって、また地方出身の学生にとっても、きわめて重い負担となっている。しかも現在の諸寮の状況は、国際的に見て大学の宿舎としてふさわしいものとは到底言えない。教養学部所管の駒場・三鷹の2寮もすでに老朽化がはなはだしく、早晩建て替えの必要に迫られていることは、だれの目にも明らかである。さらに、最近の学生定員増にともなって、駒場キャンパスの手狭さが痛感され、再開発(とくに学生の課外活動、教職員の福利厚生のための施設)の必要性がますます高まっている。
 加えて三鷹寮の敷地は、国有地を有効に利用するという観点から(現状は30,000m2に寮生約80名)、学部として早急にその効率的な使用計画を明示することが必要となっているのである。
 このような状況をふまえ、教養学部は新しい学生宿舎建設のために、文部省に予算要求を行うとともに、各方面の協力を要請してゆくこととした。基本構想は以下のとおりである。

(1) 規模は収容能力約1,000名、年次計画(数年間)で整備する。現行の三鷹市条例による建築基準では、これが限度一杯である。現在駒場・三鷹寮の収容能力は約550名、実際の寮生は約450名である。
(2) 教養学部学生と外国人留学生との混住とし、その比率は7対3、いずれも女子学生を含むものとする。留学生と生活を共にすることによって、日常的に文化交流が行われ、国際的な視野を広げることが、この宿舎の目的であり、これこそ教養学部の理念の一つである国際性を高めることにつながるであろう。
(3) 21世紀の国際的水準の宿舎を目指し、個室の広さ・諸設備とも、それにふさわしいものとする。食堂は付設しないが、補食用の設備ならびに共用施設はできるだけ充実させる。学生諸君の希望も条件の許すかぎり取り入れていきたい。
(4) 今後長期にわたって良好な居住環境を維持するために、メインテナンス体制を整備し、大学が建物の管理責任を負う。入居者の選考は、教養学部と全学国際交流委員会とによって行う予定であるJ。
(5) 年次計画の進行にともなっで、三鷹寮・駒場寮は順次廃寮とする。

 駒場寮の廃寮については、長い伝統に対する強い郷愁があるかも知れない。しかし、よく考えてほしい。現在、グランド部分を除くキャンパスの約3分の1が、有効に利用されないままになっているのである。第一高等学校時代、生徒が1,000名程度だったときには、それでも十分余裕があったであろう。学生が8,000名以上にふくれあがった今では、この部分を再開発する以外に、ゆとりある研究・教育環境を確保する道がないのである。
 また、老朽化した寮は応急修理だけでも、莫大な費用がかかる。現存の学寮(旧・新寮)については補修営繕費の予算化がほとんど不可能であることから、修理費(最近2年間で約3,000万円)は他の経費をやりくりして充てなければならない。そのしわよせは当然他の施設に及び、学生会館補修など、学生諸君の切実な要求に応えられぬ一因ともなっている。
 現在駒場寮内にはいくつかのサークルが同居しており、また、演劇サークル等の活動の場ともなっている。この実情はもちろん無視するものではなく、廃寮にさいしては、学部として十分配慮するつもりであり、これらのことについて学生諸君とよく話し合って解決していきたい。
 廃寮したあとの敷地をどのように有効利用するかも重要な課題である。基本方針としては、福利・厚生施設および風致地区とする予定であり、将来構想のなかでは、多目的ホール・教職員食堂を含む「大学会館」あるいは課外活動施設を含む「運動会館」の建設が話題にのぽっているが、宿舎建設と並行して、これらの実現に向けても全学部が一致協力して、一層の努力を重ねてゆかねばならない。

平成3年10月17日

教養学部


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資料2:配布文書

三鷹国際学生宿舎建設について
 教養学部は、現在の三鷹寮敷地に国際学生宿舎を建設する基本構想を固め、昨年10月にその概要を公表して、学生諸君と具体的問題について協議を開始した。新宿舎の基本構想は、

i.収容能力1000名、教養学部学生と外国人留学生(いずれも女子を含む)との混住とし、その比率は7対3とする。
ii.居室は個室とするが、2l世紀の国際水準にふさわしい広さ・設備を備える。共用施設もできるだけ充実させる。水光熱費の負担区分を明確にする。
iii . 食堂は付設しないが、自炊設備等を充実させ、居住者に著しい不便が生じないよう配慮する。
iv.大学が建物の管理の責任を負い、入居者の選考は教養学部と全学国際交流委員会が行う。
v.年次計画の進行にともない、三鷹寮・駒場寮は順次廃寮とする。

というものである。
 学部は三鷹国際学生宿舎特別委員会を通じて、学生諸君に向けて説明会を開き、ニ度にわたって「学部交渉」を行った。
 これに対して教養学部学生自治会は、

(1) 学生の意見を聞かずに一方的に決定された計画であり、学生との合意ができるまで1年間予算要求を中止せよ。
(2) 新宿舎の建設には、駒場寮の廃寮を前提とすべきでない。

と主張し続けている。
 学部は、「この宿舎建設の予算化のため、すでに様々な部署で多くの人々が尽力しつつある環段階で予算要求を取り下げることは、測りじれないマイナス効果を生み、その早期実現が危ぶまれること、駒場寮の廃寮は次の諸理由から不可避であること」を繰り返し説明してきた。

i.新宿舎の収容人員は現在の寮生数の五割増となり、大都市に所在する大学としては、他大学と比較しても在学生との比率がきわめて高くなり、駒場寮の寄宿舎機能まで存続させることは困難である。
ii. 現在の駒場・三鷹寮の老朽化は周知の通りであり、あと数年で耐用年限に達してしまう。
iii. 新宿舎が完成すれば、その維持費用が当然必要であり、そのうえに駒場寮の維持費まで負担することは、教養学部にとって到底不可能である。
iv. 学生増によるキャンパスの狭隘化を解決するためには、駒場寮敷地の再開発が絶対に必要である。
v. 廃寮によって寄宿舎としての機能は停止するが、サークルスペース・北ホールは代替施設ができるまで存続させる。

 学部としては、学生宿舎に対する学生諸君の意見をひろく求めるために、12月中旬にアンケート調査を行った。これは、駒場在籍全学まり1割を無作為抽出によって選び、さらに駒場の全留学生を加えた約900名に、郵送によって実施したものである。詳細な分析は、現在統計学教室に依頼して進めているが、単純集計の数字は別表の通りである。学部は、当初から「学生の強い反対があるならば、予算要求中止も考慮する」ことを表明してきたが、このアンケート調査によれば、圧倒的多数が学部の基本構想に賛成していると判断される。
 学部は、現在駒場寮委員会および三鷹寮自治会との間で、新宿舎入居者の必要経費、学生自治、入退居基準、給食設備等について話し合いを継続しており、今後とも学生諸君との話し合いの扉を開いておく態度に変わりはない。しかしながら、すでに遺跡調査の実施や基本設計・内部設備の決定、それに基づく経費の積算の時期を過ぎているので、もはやこれ以上遅延することは許されず、新宿舎の早期実現のための具体的な作業を進めてゆくこととした。もちろん、これと並行して学生諸君との話し合いの結果を、できるかぎりその作業の中に反映させてゆきたいと考えている。学生諸君の理解と協力を求めたい。

平成4年1月13日

教 養 学 部


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