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------------------------------------------------------------------第三弾 目次
■巻頭言            千葉 毅
■占有移転禁止仮処分の執行を弾劾する!
■9.10ドキュメント、解説 写真/H 文/編集部
■寮自治会、学生自治会による申入書
■「存続を支援する会」の活動
  A.第一回読者交流会/B.清掃隊報告/C.寮風呂再興計画
■討論 「学部改革」と駒場寮
    『所感と提案』     宇井 純 1951 中25S 元都市工学助手
■海外からのキャンパス報告 シリーズ1
    『再開発後の大学から』 松岡 智広 オーストラリア・メルボルン大学在学
■投稿
    『自治寮はつぶせない』 佐野 花枝 工学部精密機械工学科
    『駒猫 '96』      足達 研太
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駒場寮経験をつなぐ討論紙 9/29号   投稿歓迎

  い         編集/発行: 駒場寮存続を支援する会
    ろ       連絡先:   東京都目黒区駒場3-8-1駒場寮北9S
      は     電話:    **-****-****(呼)
            共同代表:  成瀬 豊 (95,99期寮委員長)
                   千葉 毅 (110期寮委員長)
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-第三弾-


 去る9月10日、駒場寮に「占有移転禁止の仮処分」が下り、裁判所・教養学部当局それぞれが依頼した警備員に守られながら、東京地裁の執行官が執行のため寮内に立ち入りました。この執行は、東京大学という権威を後ろ楯にした、あまりにもずさんなものでした。三鷹国際学生宿舎特別委員は、今後、駒場寮の明け渡しを法廷で争っていくことをちらつかせています。
 春の電気・ガス供給停止、渡り廊下破壊、そして今夏には寮浴場の水道管の切断と、なりふり構わず「自力救済」一途を突き進んできた教養学部は、その姿勢を振り返ることのないまま、一転して「法的措置」に訴えてきました。これまで「誠実に話し合いに応じてきた」はずの学部は、駒場寮の存続を求める声に耳を塞ぎ、学内問題としての解決の道を、ついに完全に放棄したのです。
 教養学部のこの暴挙にも、寮に住み抜く学生たちは、決意を新たに立ち向かっています。裁判闘争突入の可能性をも睨み、すでに寮OBを含む弁護団も結成されています。これまでご支援いただいた方々に感謝するとともに、引き続き、物心両面からの支援をよろしくお願いいたします。

(共同代表・千葉)

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占有移転禁止仮処分の執行を弾劾する!
9月10日、かねてから懸念されていた駒場寮への「占有移転禁止」仮処分が執
行された。これに先立ち、駒場寮自治会と教養学部学生自治会は「法的措置」を
しないよう8月21日付で申し入れていた。にもかかわらずこの暴挙である。大
学当局は学内での話し合い解決を標榜しながらこれまで幾度となく学生・寮生を
裏切り続けてきた。その果てに、ついに、当事者としての責任をも放り出してし
まったのだ。東京大学のこの無責任きわまりない姿勢は決して許されるものでは
ない。我々は大学当局が速やかに寮生との話し合いの場に戻ることを要求する。

(写真:窓を開けて部屋の中を覗く執行官)
(仮処分調書本文)
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9.10ドキュメント 写真/H 文/編集部


9:30
執行官三名、執行補助者九名、立会人三名、ガードマン、特別委教官など計三〇名ほどが寮に来る。寮生の多くは寮外に待避
11:00
寮が依頼した弁護士が寮に到着 執行官より執行の説明
部屋の検索の仕方について執行官と弁護士との間で交渉

以後、約三時間にわたって執行官が寮内を検索。寝込みを襲われた寮生もあった
その間、三鷹特別委・生井澤(物理教員)が執行のどさくさに紛れて寮内を詮索
12:00
知らせを聞いた学生・市民が寮に駆けつける 教養学部学生自治会が学部長に事態の説明を求めて面会を要求するが拒否
16:00
執行の終了 寮前に立っていたガードマン撤収
22:30
寮生・支援者合同の対策会議


解説
0.
占有移転禁止の仮処分とは
1.
当局の名簿はきわめて杜撰
2.
調査も杜撰
3.
恫喝と嫌がらせの仮処分


 8月の22日に駒場寮自治会と教養学部学生自治会の委任した弁護士が共 同で、教養学部学部長・市村宗武氏に対して送付した申入書の全文です。改行位置は編集の都合で変更し、学生の氏名が明らかになる部分は伏せ字にしてあります


申 入 書


冠省 この度、東京大学教養学部学生自治会自治委員長×××××、東京大学駒場寮委員長×××××の両氏から駒場寮問題について委任を受け、当職ら後記各弁護士が代理人となりましたので、通知いたします。
この間、東京大学教養学部当局は、一方的に駒場寮が本年三月三一日をもって廃止されたとして、不当にも寮生に対し執拗に退寮を迫っています。加えて、教養学部当局は、駒場寮への電気・ガスの供給を停止し、実力で寮生の排除を図り、さらには寮の建物の一部を取り壊すという非常識きわまりない行為まで行いました。  当職らは、本書面をもって、このような教養学部当局の人権侵害行為に対し強く抗議します。同時に、駒場寮への電気・ガスの供給を直ちに再開すること、寮の建物の取り壊しをしないことを強く求めます。
駒場寮の存続をめぐる問題は、本来、大学自治の構成員である教養学部当局と学生との合意に基づいて決定されるべきものです。とくに、駒場寮が学生の生活と自治の場であることを考えれば、この原則はいっそう守られなければなりません。しかも一九八四年には、当時の教養学部第八委員会と学生との間で「寮生活に重大な関わりのある問題についての大学の公的な意思表明があるとき、第八委員会は、寮生の意見を十分に把握・検討して、事前に大学の諸機関に反映させるよう努力する」との確約がなされています。  この間の教養学部当局の態度は、大学自治の原則と右確約に違反するものであり、現在の事態を招いた責任が、学生の意見を無視し当局の意向を押しつけようとした学部当局の側にあることは明白です。
 先日学生自治会が行った全学投票においても、当局が電気・ガスの供給を再開して学生との話し合いによる解決を図るべきであるという意見が圧倒的多数を占めています。当職らは、教養学部当局が、駒場寮廃止の方針を撤回して、学生との間で駒場寮問題についての交渉を再開し、解決に向けた合意形成を真剣に追求するようあらためて申し入れます。
最近、教養学部当局は、法的手段を云々しているようです。しかし、教養学部当局が、学生との話し合いに応ずることなく、法的手段によってこの問題の解決を図ろうとすることは、大学自治を自ら放棄するに等しい行為であり、大学自治の歴史に取り返しのつかない汚点を残すものにほかなりません。  にもかかわらず、教養学部当局が法的手段を講ずる場合には、当方としても、この間教養学部当局が寮生らに加えた数々の人権侵害行為に対し、実行者個人の責任も含めて徹底的に法的責任を追及することになります。この点ご承知おきください。
 最後に、駒場寮問題について、教養学部当局が学問の府としての理性に則った行動をされるよう期待します。


(代理人の表示)
弁護士 尾林 芳匡/海渡 雄一/加藤 健次/小松 雅彦/田鎖 麻衣子/日高 章/藤田 正人/三村 伸之/吉村 清人

一九九六年八月二一日

■「存続を支援する会」の活動


  1. 第一回読者交流会
  2. 清掃隊報告
  3. 寮風呂再興計画

■討 論


「学部改革」と駒場寮


前号の阿波六吉さんの投稿に対して、寮のOBであり、沖縄大学の教員である宇井純さんから投稿がありましたので掲載します。


『所感と提案』

宇井 純 1951 中25S 元都市工学助手


 卒業生の一人として、また長い間母校の教師を勤めていたものとして、駒場寮の問題について東京大学、特に教養学部がとった態度は誠に残念なものであった。1980年代の末から進行した「大学改革」と駒場寮廃寮の関係については、「いろは」8/11号の阿波六吉氏の分析が精しく、当を得ていると、大学関係者として感ずる。すなわち、大学の教授会自治と文部官僚の権限の綱引きの一場面なのである。その中で学寮の自治が踏みつぶされようとしたと考えてよい。
 残念ながら学生には今この綱引きに介入できる力がない。力がないだけ、次元の高い論理で対抗するほかはない。単に自治寮の必要だけでは、権力と五分五分に過ぎない。そこそこに頭が良くて、精一杯に競争に駆り立てられ、伸びきったゴムのように力を出しきって駒場に入ってきた孤独な青年達には、まず他人と付き合うためにも、雑居房が必要になる。それは日本人ばかりではない。これからも増えるであろう外国人学生とともに住み、心を開いて語り合える場の貴重さは、時と共に大きくなるはずである。
 これは一例だが、集団としての東大生の自己形成の場として、駒場寮はもし多様性を生かすならば貴重なものである。文部省の計画する新々寮の管理消毒の行き届いたシステムとの比較は、ゆっくりやってみる値打ちがあるだろう。但し駒場寮の衛生水準の維持はあくまで必要である。

■海外からのキャンパス報告 シリーズ1



 東京大学は、国際的にも通用する大学への「改革」の一環として、キャンパス再編=「駒場寮廃寮」を位置付けているようです。しかし大学当局は、ことここに至るまで美辞麗句を言い募ることに終始し、再編の方向や内容を、実際のキャンパスのありようと関連させて論じることを周到に避けてきたように思います。本当のところどうなのか。今回の松岡氏の投稿を皮切りに、各大学の実態に切り込んだレポートを掲載していく予定です。東大以外のキャンパス経験をお持ちの方は、是非、投稿をお願いします。


『再開発後の大学から』 

松岡 智広 オーストラリア・メルボルン大学在学


 駒場の学生の皆さん、私は元教養学部生で現在オーストラリアに在住しているメルボルン大学の学生です。インターネットを通じて昔の友人と連絡を取っている中で、現在駒場で起こっている状況を知り、驚き、悲しみ、またあきれかえっています。というのは、学部の評議委員を中心とするひとたちの、あまりの詭弁が私には見え見えだからです。とくにキャンパスプラザ計画などという美辞麗句で嘘によって駒場寮廃寮を正当化しようというのは許しがたい、だまし撃ちといっていいでしょう。そこで今回短期帰国した折りに、これだけは皆さんに是非伝えなければ、と思い文章にしてみました。
 駒場を離れた今になって、駒場での生活が、現在のオーストラリアでの学生生活に比べていかに充実したものであったか、私はそのことをとても強く感じています。そこで、私の現在住んでいるオーストラリアの大学の状況を、皆さんにご紹介しましょう。そうすることによって学部のいうキャンパスプラザ計画なるものが、予算云々に関わらずその内実がいかに詭弁に満ちた嘘であるか、ということが明白になると考えるからです。

芝生に寝ころぶキャンパスライフ

 私がオーストラリアのメルボルン大学に入学したばかりの頃、そのキャンパスの雰囲気にとても魅力を感じていました。きれいに整備された学生施設、カフェテリア、芝生に寝ころんで本を読んだり車座になって友達と食事をする学生たち、のびのびしていていいなあ、と。
 ところがいざ学期が始まってみると、どうも事情が違うことがわかりました。夕方になると大学は人通りがぱったりと途絶え、ゴーストタウンと化してしまいます。土日も同様です。このため女性にとっては、夕方遅くまで図書館で勉強したりするのは「危険」をともなうといっても過言ではありません(実際ガードマンが門まで送るサービスまである)。また、学生が芝生で寝ころんでいるのは、どうも単にのんびりしているからではなかったようなのです。
 例えば、ここでは駒場の学生会館や駒場寮のように個別のサークルに割り当てられたスペースはありません。貸し出し用の会議室みたいなものがわずかにありますが。そこで学生のサークル活動などは、カフェなどでちょっとミーティングをする程度であまり活発ではありません。唯一、施設が充実しているスポーツセンターですら、運動サークルに割り当てられる部屋もありません。というわけで、学生は授業時間以外は大学内でどこにも行く場所がないのです。ですから学生が芝生で寝ころんでたり食事してたりするのは、単に行く場所がないからなのです、時間割の関係で時間があいてしまうと芝生で寝ころぶか図書館で勉強する以外にないのです。雨の日なんて悲惨ですよ、寝ころぶことすら出来ない。

強力なUnionと学生の自由

 物理的には、私のいる大学は充実しているかも知れません。学生自治会、いわゆるスチューデントユニオンは、巨大な一企業体で、多くの常任の職員を雇っています。大きなビルも持っていて、その中にはカフェや売店などが多く入っています。映画館まであり、週一回映画も上映されています。しかし、前述のように、個別サークルのスペースはありません。このビルはショッピングセンターみたいなもので、夕方早々には店も閉まり、7時以降は清掃や、運営関係者以外殆ど出入りがありません。夕方や週末のキャンパスがゴーストタウンになってしまうのは、やはり、授業以外学生が行くところがないから。また、予算も大学が一括して徴収した中から支給されるという形を取っています。このため、学部の意向にそぐわない場合は、翌年その部分の予算がカットされてしまったりします(これは隣の大学で実際に起き、警察まで介入した事態になりました)。つまり、表面的、物理的には充実しているようで、その実まったく自由がないのです。ほんとつまんないですよ。ちなみにオーストラリアは若者の自殺率がとても高い国です。

再開発は必要か?

 ひるがえって駒場の状況を考えてみましょう。例えば、学生会館は古くて汚いと思うかも知れません。しかし僕からみればとてもうらやましい。サークルが自分たちの部屋を持っているから。学内で友人達が集う場所を持っているから。自分たちの独自の活動空間を持っているから。古いのは、修繕のための予算がないからです、何十年にもわたる兵糧責めに耐えているからです。ちなみに国は、新しく建てるサークル施設(文部省や学部にいわせれば「課外活動施設」)には、個別サークルに部屋を割り当てることを認めていません。これは今に始まった事ではなく、学生会館の奥のいわゆる新学生会館(もう新なんて言えないくらい前ですが)が建てられたときもそうでした。ましてや、今から建てられる(建てられるかどうかもわかならい)施設では、個別サークルに部屋が割り当てられるというのは絶望的と言っていいでしょう、何故ならそういうものには国が予算を出さないからです。にもかかわらず、キャンパスプラザ計画を訴える人たちは、「未来」「充実」などという美辞麗句ばかり並べ立てて、このことを隠している!これが詭弁でなくてなんでしょう。

駒場寮の良さとは何か

 駒場寮だってそうです。こちらの大学にはいわゆるカレッジと呼ばれる寮があります。が、生活費は高く、管理はとても厳しいものです。友達を呼んで自分の部屋で酒を飲むこともままなりません。軍隊じゃあるまいし。三鷹寮は「国際」などという頭文字をつけて予算をとってきたようですが、留学生との交流はまったく名目だけだそうです。考えてみれば昔の僕の駒場寮の生活では、私費留学生もふくめた留学生と食事を共にしたり、風呂場で語ったりと日常的な交流が極自然と行われていました。ちなみに僕は駒場寮生であったことはありません。ただ友人の居住する部屋をよくたずねていただけのことです。それでも駒場寮の大切さを痛切に感じていました。
 駒場寮はサークル活動の場でもあります。繰り返しになりますが、駒場寮を潰してつくられる施設には、「美しい、きれいな」共用貸し出しスペースは出来るかも知れませんが、個別サークルの活動部屋が与えられる可能性は皆無と言っていいでしょう。面積云々で言い訳をしていますが、学部はキャンパス計画の中で、現在のような個別サークル部屋を保証すると確約しましたか?してないでしょう。だって国が認めないことは分かってるんだから。でもそれははっきり言わない。ただ「なるべく学生の要望を聞いて」というだけ。いざとなりゃ「努力はしました(僕がいた頃の永野三郎当時第6委員の交渉時の口癖)」で逃げるんでしょ。おまけに実は学生の施設は機能的にも縮小されてしまうのに、自分たちの施設だけちゃっかりつくろうとしてるんだから。メルボルン大学では教官達のためのクラブというか、レストランみたいな施設がありますが、これはちゃんと教官達が高い会費を自分たちで払って運営されています。教官の福利厚生施設がほしけりゃ、この人達みたいに自腹でも切ってやりゃいいんです。それを「学生のため」なんて名目まで持ち出して、ズルイというか盗人たけだけしいというか、こりゃ駒場寮の保険金殺人いや殺寮とでもいったらいいのか。
 さらに、駒場寮のお陰で駒場はゴーストタウンになることはありません。メルボルン大学みたいに町なかの大学なのに大学だけゴーストタウンで危険な空間になってしまう、なんてことはない。何も夕方や休日だけじゃない、夜だって、一号館脇とかは心細いものの、その奥には駒場寮で学生たちが生活しています。4月には放火によるボヤがあったそうですが、まさにあの深夜、駒場寮に人がいたからこそ、早期発見されボヤで済んだのでしょう?あれを以て管理能力がどうのこうのとはお門違い。逆に駒場寮では、夜の電話番や風呂たき、集金や修理、ペンキの塗り替えとか、学部がやりもしないし、できもしないことを、学生たちがこなしていたのです。
 学生自治会もそうです。規模だけ大きくても、いくら新しいステキなビルのお部屋やお小遣いを大学からもらっても、使い道が気に入らなければ取り上げられてしまうようなオーストラリアのスチューデントユニオンに比べれば、いくら教官連中が馬鹿にしようとも、自分たちで会費を集め、きちんと投票や選挙を行って維持されている駒場の自治会は、まさに自治会と呼ぶにふさわしいでしょう。あらゆる学生の自治空間を「学生の自治の現状を憂いている、心配している」などとうそぶいて潰そうとしている教授会連中は一体何者何でしょう?すべてが一部執行部の意志で拍手承認で事が進んでしまう教授会の方がよっぽど心配されるべきでしょう。

学生のためにという欺瞞

 本当に駒場の学生生活を充実させたいのなら、学部は何故何十年にもわたっこて、駒場寮や学生会館の修繕を無視してきたのでしょう?にもかかわらず学部は何故突然「充実した学生生活」などといいだしたのでしょう?何故、学部は半強制的に職員を休日出勤させてまで、コソ泥のようなまねまでして駒場寮生を追い出したり、寮を壊したりしようとするのでしょう?わかるでしょう、駒場の「充実した未来」のための廃寮ではなく、とにかく駒場寮廃寮のために持ち出してきた「将来計画」それがキャンパスプラザ計画です。三鷹寮を建て替えてしまったため国に対してメンツが立たない、国との約束通りとにかくつぶさなきゃ、そんな陳腐なところから出てきたのがはじまりです。もともと、駒場寮廃寮の話だって駒場再開発のためではなく、三鷹寮を建て替えるから、といってたのです。だから、駒場寮跡地再開発計画は出てきた当初からころころ変わっています、名前だって。最初なんか何十億もの金を寄付でまかなう、なんて寝ぼけたことまでいってたわけです。「学生の皆さんへ」などというものを何べんも発表すりゃ、通じるとでも思ってるのでしょう。先に全部決めちゃって一方的な通告なのに、何百回も話あっただって?さんざん学生を騙しておいて「学部は学生のためを思って」なんて大きなお世話じゃない?駒場は最短2年で人が殆ど入れ替わります。新しい学生は過去の経過なんて知らないから大丈夫とたかをくくって恥ずかしげもなく、「学生の皆さんへ」なんて、笑っちゃいますよね。

モラルなき知を超えて

 最近、廃寮を推進してきた人間達の尻を追いかけてきたタイコモチ教官が本を出したそうで、何やらモラルがうんたらといって、学生に「希望せよ」などとほざいているそうですが、おこがましい、とはまさにこのことでしょう。いわれなくたって、希望を持って元気に駒場寮で生活している学生はたくさんいます。皆さんだってサークル活動や何でも自分の学生生活をそれぞれの主体性をもって送っているわけですよね。逆にこういった学生たちの希望の芽を摘み取ろうとする輩の提灯持ちにそんなこと言う資格があるんでしょうか。そんなに希望っつうんなら文部省や教授会の評議委員連中に文句の一つでも言ってみろ、知の御大尽。「希望」も何もない寡頭政治の教授会の露払いの人達の学生時代は「充実」とはほど遠いよっぽど貧困なさびれた生活だったんでしょうかねぇ?それともあまりにおしゃれでかっこいい生活だったからこんな当たり前の大事なことは考えなかったんですかねぇ?あんなくだらない本読んだって希望も何にも湧きませんよ。げんなりするだけ。くさいテレビドラマでもみた方がよっぽど元気が出ますよ。

ふたたび再開発後の大学から

 私は懐古趣味で駒場寮廃寮に反対しているのではありません。第一僕は駒場寮の住人だったことすらないですから。それでもはっきり言えることは、普段当たり前のようで忘れられている大事な意味を駒場寮が持っているのです。自分たちの自分たちでつくる自由な活動空間。これは駒場寮だけでなく学生会館などでのサークル活動を含めた、駒場の学生生活そのものに関わることです。それこそ学部が「皆さんへ」でいう、将来の学生の駒場生活のためでもあると思います。
 駒場寮を廃寮とひきかえのキャンパスプラザ計画、その先には、駒場寮だけでなくサークル活動までもが危機にさらされているのです。わたしは、今自分のいるオーストラリアの大学の、表面上はきれいだが非常に貧しい、さびれた学生生活に直面して、駒場に同じような道を絶対に歩んで欲しくないと痛感しています。単に駒場寮という建物を守るという事で私は言ってるんじゃないんです。なくしてわかる、親の恩とはいうけれど、なくなってからじゃどうにもならないですよ。振り返ってみれば、古くてもボロボロでも、駒場での学生生活の方がなんと充実していたことか!

■投稿


『自治寮はつぶせない』

佐野 花枝 工学部精密機械工学科


 18歳までの人生、東大理沍サ役合格の一念できて、家族とのゆっくりした時間や友情さえ犠牲にしてきたけれど、晴れて東大生となった今、他人のために時間を使える人間になろうと思ってきました。けれど1,2年のうちから結構カリキュラムがしんどくて、進学振り分けを考えるとそんな暇はなくまだまだ競争が続くわけです。で希望の学科に進めなかったりしても、本郷でまた何となく勉強するんでしょうが、私は専門に進んでますます「あー、勉強なんてしている場合じゃないよなあー、受験勉強中に落としてきてしまった積み荷をとりに行かなくては。」と焦ったものです。本来なら今年の夏は院試の勉強か就職活動をするはずでしたが、そろそろ「最短コースと思われるルートを全力疾走」するのをやめました。今、腰抜け役人どもに駒場寮をつぶさせるわけには行かないし、支援のみんなや今まで頑張ってきた駒場寮生達と過ごしてきた時間を思い出すと、たとえパクられても闘おうと決心をあらたにします。
 1,2年の頃は駒場寮が好きだから残そうと思っていました。3年の8月中旬に都内のとある神社に関する集まりに参加してから、ようやっと国家権力に対峙することの意義がつかめ、対権力闘争として駒場寮問題を捉え直すことができました。4年になって入寮し、立て看を作ったり、ビラを書いたり、アジったり、掃除したり、コンパをしたり、フロア会議に参加したりしてきましたが、最終的に自分を支えてくれるのは寮内の人間関係のほかに、「時間と労力と熱意を持って支援してくれる人たちの魅力」です。最後は共に闘う人間をどれだけ尊敬できるか、かっちょいい、と思えるか、だと思います。逆に言えば後輩にそう思わせるだけの人間になることを目指しつつ、支援の方々が気持ちよく支援できるような環境づくりに貢献したいと思っています。
 最後に自治寮はそう簡単にはつぶせないんだぞ、ということを確認して文章を終わります。

駒猫 '96

文/写真 足達 研太


 事情通の寮生の話によると、母猫は去年生まれたばかりの猫で、とても人なつっこかったので現在まで生き延びてこられたということです。子猫は四匹いて、おもに北寮前の立て看の陰などで母親と一緒に生活しています。猫好きの人々によってかわいがられています。駒場寮がある限り、駒猫も棲息し続けることでしょう。


編集後記


 現在、28日未明。北14B(寮委員会室)で最後の編集作業をしています。本来の発行予定日は22日だったのですが、みなさんご承知のように台風17号の襲来によって会議そのものが吹き飛びまして、一週間遅れの発行になりました。今号は、当初の予定では、ほのぼのとした記事を中心に編集する予定だったのですが、不当にも占有移転禁止の仮処分があったために、まったく予定が変わってしまいました。今後に予想される明け渡し処分、あるいはそれをさせないための取り組みに、知恵を絞らなければならない時期に入っています。と、同時に、駒場寮の存続運動の中身がますます問われる段階に入っていることは確実です。事実、法廷で争うことになれば、明け渡しの不当性を証明するために寮の存続意義を法廷で明かし立てなければなりません。だから、支援としてやれることはいまのうちにどんどんやっておきましょう。それが存続を可能にする唯一の道ですから。今回は、「占有移転禁止仮処分」の執行を弾劾するアピールを同封しました。是非とも賛同をお願いします。カンパの送り先も、従来の郵便振替口座に加えてあらたに銀行口座を準備しました。郵便局になかなかいけない方はそちらにカンパをお願いします。

  1. 「駒場寮存続を支援する会」は、以下のことに取り組んでいます。
  2. 会報発行、上記の支援活動にカンパをお願いします。
  3. 「いろは」への投稿を待っています。
  4. そして是非とも賛同、なにより参加をお願いします。

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