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駒場寮経験をつなぐ討論紙 8/11号   投稿歓迎

  い         編集/発行: 駒場寮存続を支援する会
    ろ       連絡先:   東京都目黒区駒場3-8-1駒場寮北9S
      は     電話:    **-****-****(呼)
            共同代表:  成瀬 豊 (95,99期寮委員長)
                   千葉 毅 (110期寮委員長)
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-第二弾-


ちょっぴり欺瞞的なオリンピックも終わり、いつもの夏が戻ってきました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。駒場寮は現在でもしっかり存続しております。膠着状態が続いている状況ですが、明寮の取り壊し工事はいつ強行されるかもしれません。支援する会では、月二回の定例会を着実に継続し、存続に向けた討論を続けております。今号では、前号(7/1発行)からの経過をお伝えすると共に、存続へ向けた討論で出された意見を紹介します。「学生はなぜ学部のCCCL計画に反対しているのか」という疑問をお持ちの方は、阿波六吉氏の投稿をお読み下さい。また、公に入寮声明をした佐野花枝氏のリアルなビラを同封しました。駒場キャンパスの実状が伝われば幸いです。編集部では、今後も紙面の一掃の充実を図っていこうと考えています。読者の皆さんのさらなる討論への参加を呼び掛けます。(文責・足達)

■駒場寮1996(6/27〜8/6)


六月
6.27
教養学部学生自治会定例代議員大会開催 寮委員会提案すべて可決
主文1  6月20日の教授会において、「明寮取り壊し」が決定された。全学投票に示された学生の意思を踏みにじり、寮生・寮利用者をまったく無視して一方的に決定されたこの「明寮」取り壊しに反対し、同決定の撤回を求めよう。
主文2  6月20日の教授会において、「法的措置」執行の学部長 への一任が決定された。全学投票に示された学生の意思を踏みにじり、話し合いによる解決を放棄する学部当局の決定に反対し、同決定の撤回を求めよう。
主文3  「法的措置」執行の学部長への一任を決めるにあたり、採決を求める動議すらも否決した教授会の非民主主義的な姿勢に抗議しよう。
学部文書「旧駒場寮内にとどまっている諸君へ」配布さる 「・・・貴君個人にとって法的にも重大な不利益が生じることになりかねません。」(この頃、寮生の実家宛てにも同内容の恫喝文書が送られた。)
6.30
第139期寮委員長就任
七月
7. 3
学友会総会(〜7.5)廃寮反対派理事が9名中4名に増加
7. 4
夏の寮祭開始(〜7.10)学部「寮祭を認めない」告示
7. 4
「駒場寮存続を支援する会」後援・寮祭企画、 シリーズ「東京大学への自己言及」シンポジウム第一回開催 寮外生多数参加、終了後北寮前ビアガーデンで自由討論
7. 6
同寮祭企画「新学館問題学習会」
7. 7
同寮祭企画「負担区分闘争学習会」
7. 8
「説得調査隊(三鷹特別委+学生委員)」寮内侵入をはかる→明寮居住者の同定作業の進捗状況が判明
7.11
「説得調査隊」←101号館前で待ち構え寮内侵入を未然に防いだ 7月定例総代会 「明寮取り壊し」決定糾弾、撤回要求および実力阻止方針が可決
7.14
東大七寮連絡会議 本郷寮に支援要請
7.15
学部 40ページ(本文18ページ経過報告19ページ)からなる学内広報(「駒場キャンパス再開発と駒場学寮廃寮」特集号)を東大全学に配布
7.15
学部交渉(学生自治会枠)および「キャンパスプラザ」説明会←駒場寮自治会の枠消滅(学部:「駒場寮は存在しない、発言権は認めない」)全学投票は「無茶苦茶な要求」だから「ばかげたスタイルは止めろ」、 建設は前提条件であるとして一方的に説明を進める
7.16
「説得調査隊」←101号館前にレポ配置、北寮前で撃退
7.18
7月定例教授会 学部当局は一部の教官の反対に対し、「学部長への法的措置一任」は既に決定ずみ、蒸し返すな 、「法的措置路線」は学部長会議で了承を得たと主張
7.20
第一回プレハブ棟委員会 駒場寮自治会選出の山内君(第138期寮委員長)が議長に就任
7.22
教養学部試験期間開始 寮生・支援者共闘会議→明寮裏・明寮本体実力取り壊しに備えて夏休みの防衛体制へ、 寮裏バリケードの組み直し
・レポ配置など寮委員長集約のもとで開催 、現在まで定期的に開かれている
八月
8. 1
教養学部夏休み突入
8. 6
三鷹特別委委員長小林寛道 アトランタより帰国

■「存続を支援する会」の活動


  1. 駒場清掃隊報告(7月)

    <寮食堂前の写真>
     梅雨、それに続く熱い夏にそなえてゴミの撤去・整理に力を注いだ。又、暇をみては寮の前の片付け、廊下や便所の清掃そのものを行う。数時間の作業で見違えるようになるが、2週間もたつと再度清掃そのものを必要とするほど寮内および寮周辺の利用は頻繁ではある。
     中寮の東側のゴミ置き場が物理的に破壊され、ゴミ回収の作業もサボタージュされたために、ゴミ袋の山を為し得るだけでなく、カラスが荒らし、蝿やミミズの絶好の繁殖地となっていた。これを修復するのに多くの時間と労力をかけた。清掃して袋を新たにまとめて、リアカーで移動するだけではあるが、何度往復をしたことか、数えきれない。
     より経験および人数の点で、清掃隊はパワーアップをはたしたが、これからも活動拡大の努力そのものをしなくてはならない。おせわになった駒場寮への恩返し、目に見える支援作業、口先だけの当局への示威行動・・・。いくらでも理由はつけられはする。作業の後の飲酒はまた格別ではある。ご一緒しませんか?(ときわ)

  2. オーストラリアからキャンパス報告を掲示
    寮経験者の1人で、現在オーストラリアのメルボルン大学に在学中の仲間から、「学生の皆さんへ from 南半球 再開発後の大学から」というアピールが寄せられました。東大当局がキャンパス再開発のモデルとしている欧米流のキャンパスが、どれだけ大学をゴーストタウン化し、学生の創造性や活動力を奪うものであるのか、実際の留学経験に基づいて報告されています。支援する会では、彼の帰国に合わせて、定例会後に模造紙十枚にアピールを書き写し、立て看板にして駒場キャンパスに掲示しました。
     今後も、東大以外の学生生活を経験した読者の皆さんからの報告を現場に還元していきたいと考えています。ぜひ、投稿をお願いします。(山口)

  3. 「いろは」読者交流会のお知らせ
     8月31日(土)午後6時より、駒場キャンパス内の同窓会館にて『いろは』の読者交流会を行います。お酒とお食事を用意しております。(会費3000円)。駒場寮の今後についてオープンな歓談をしたいと思っております。ぜひご参加下さい。

■96夏の寮祭

7月4日からのおよそ1週間にわたって、恒例の夏の寮祭が開催されました。あいにく天候には恵まれず、寮生が準備したビール、かき氷の売り上げは芳しいものではなかったようです。しかし、以下に報告する討論集会の他にも「負担区分問題」や「新学館問題」に関する学習会、ビデオ上映会など内容的には充実したものになったようです。(山口)

   自由討論会「東京大学への自己言及1」 K



   一参加者の迷妄的非虚言 赤堀次郎


<知のモラル>などといったいいまわしのなかに、多少のいんちきくささを感じてしまう私(たち)は、「古い」人間なのだろうか。たとえばそのいんちきが駒場寮への対応のなかで露出しているじゃないかというと、駒場寮の(自治の)歴史的使命はおわっているなどとこたえる。要するにこの人たちは何もできないのか。なにもできないけど圧殺する側にいるんだから相応の責任を追及されるべきだろうなと考える。会場からは追及の矢がふりそそいだ。次第、駒寮はなめられているという感想をもった。闘う寮生は<知のレベル>は低いとみなされているようだ。これぐらいのことなら我々OBの力でなんとかフォローできる。それにしても「善良な寮生、自治をまもるために立つ」、のほかのイメージが廃寮闘争に付与されてもよいころであろうに、それがないのは、実はこのイメージでかたがついてしまうからかもしれない。<知>で心の濁った人間は、その善人の側にいるかどうかでモラルを試されているかのようである。
この<東京大学への自己言及>という企画は現役寮生の手によるもので連続企画になるらしい。私(たち)を沸騰させる何か=非善良な寮生の寮闘争というものがみえてくる/見せていく、ことが期待される。

(赤堀)


■新寮委員長の横顔 山口素明


六月三十日、第139期寮委員長選挙が行われ、新寮委員長が満票で信任された。
支援する会では新寮委員長にインタビューを試み、7月28日に寮務室で実現した。
新委員長は剣道二段の数学少年。実直で温厚な人柄の背後に秘めた熱情が感じられる面もち。アルコールが入るとちょっと変わるらしい。個人的な話しもいろいろ伺ったのですが、それはまたいつか。
(支‥支援する会・山口 b‥新BOSS)

支:
就任おめでとうございます。
b:
ありがとうございます。
支:
この時期に寮委員長に就任したというのはかなり思い切りがいったと思いますが‥‥‥。
b:
そうですねぇ。
支:
山内前委員長のときも寮委員として活躍されていましたが、この数カ月は大変でしたね。
b:
ええ。オリ合宿から帰ってくるといきなり電気が止まっていて、ビックリしました。電気・ガスの供給停止は予想しなかったわけではないんですが、まだ先のことかと。その意味で心理的余裕はあったんですが、まさかという感じでしたね。
支:
入寮されたのは大学が「募集停止」を通告してきた後ですよね。よく入寮しましたね。
b:
そうですね。しばらくは通っていたんですけど、片道2時間くらいかけて。それを何とかしたかったのもあったんですね。学部が出していた文書と寮のビラとを机に並べて何度も読みました。何度も読んだあげくどちらに道理があるか。僕は寮の存続に道理があると考えたんです。
支:
それで入寮して、元寮委員長のM君の部屋に入ってしまった‥‥‥。
b:
ええ。でもその影響は大きいですね。Mさんは長年がんばっていらっしゃいますし。
支:
ご家族は何といってます?大学から文書が行ったりしてますが。よけいなお世話ですが。
b:
ああ。「勉強しなさいよ」とか「三鷹に移ったら」とかぶつぶついってきますねぇ。
支:
今後はどうしていきますか?
b:
大学自体は休みの時期ですから、じっくり寮内で議論していきたいですね。どんな寮として存続させていくのかとか、寮委員中心の議論から全寮的な議論へ。もちろんいつ工事が再開されるか分からないですから、その警戒も怠らずがんばっていこうと思います。支援する会の読者の方にも、夏休み中は寮生が帰省などで手薄になりますので、支援をよろしくお願いします。
支:
今日はありがとうございました。
b:
どうも。

■討論


   「報告と検討課題」を読んで 長尾高弘


「いろは」ありがとうございます。報告と検討課題の部分を読み、改めて「支援する会」と自分の関係について考えてしまいました。私は支援する会の会議には出たことがないし、出ることができないので、支援する会の会員だとは思っていませんでしたが、支援する会の中心メンバー諸氏とはここやMLで話をしているので、まったく無関係ではないような、中途半端な位置におりましたが、やはりネズミ講を主体的にやっていくべきなのかなと思ったわけです。しかし、会をどうしていくのかということについては、この文章を見る限りでも、はっきりしないというか、数を増やせば、「動く人」と「金を出す人」の乖離は進むだろうし、会の性格規定云々は結局会議(少数精鋭)で審議しているわけだし、難しいなと思いました。「会報を通じた会議」という表現もありましたが、これを機能させるのもなかなか難しいと思います。カンパについても、寮委員会と二本立てになっているわけですし、何にいくらくらい必要かという目標もまだ設定できていないわけですよね。たぶん、D氏がこのいくつか前に書いた背景によって、法廷闘争というのが近いうちにあるんだろうし、そうしたらかなりの額が必要なんだろうと思いますが。まぁ、難しい難しいとばかり書きましたが、私の考えるところでは、「動く人」と「金を出す人」の乖離ということは、現在の中心メンバーの方々には腹をくくっていただいて(自分が「動く人」にはなれないのに、こういうことを言うのが無責任だということは重々承知の上言っているのですが)、大衆的な組織と執行部的な組織の2本立てで行かざるを得ないのではないかと思います。ただし、大衆的な組織のメンバーは、誰でも会議に出たり、電子的な手段で会議に参加したりできるという形を取る必要はあるでしょうが。まぁ、責任を取れない人間の言うことは、ハギレが悪くていけませんが、そんな感想を持ちました。

   駒場寮廃寮と大学改革 阿波六吉


 「いろは」を頂戴したが、ビラや東大新聞などを読むにつけ、私は少し違う観点から駒場寮問題を考えてしまうので、以下、議論のきっかけにしていただければと、これまでのいきさつの確認と愚見を述べさせていただく。
 廃寮の話を聞けば、多くのOBは「ああ、自治寮だから潰されるんだろうなあ」と思うかも知れない。またマスコミの報道などでは新しいキャンパス計画のために寮を潰すのだと言う報道も多い。しかし、事態の経緯を見るとどうも学生自治潰しだとか新キャンパス計画という問題ではなく、もっと場当たり的な姿勢が見えてくる。そして何よりも不気味な影を落としているのは駒場寮廃寮計画と同時進行している様々な「大学改革」なのである。その背景を考えると住専問題や薬害エイズ問題とパラレルな官僚の権限という問題があるように思えてくる。
 まず、事の発端は土地の有効利用規定と言う語にある。これは1990年頃に始まったものらしいが、国有地が効率よく利用されているかについて口やかましく言う制度で、ひとたび非効率と見なされれば政府に没収され、他の用途に回されると言う仕組みになっているらしい。この規定に基づき、旧三鷹寮周辺の土地が非効率であるというクレームがついたのが事の発端である。三鷹に何かを建てなくてはならない。そこで、教養学部の中で作業グループが作られ三鷹の土地を守るための対策として、三鷹に大規模な新新寮を作る計画の概算要求を政府に提出したのが1991年のことである。この大規模な寮の計画案を通すためには他の寮を併合しなくてはならないと考え、駒場寮廃寮が同時に含まれることとなった。
 かくして概算要求は通った。だがこの概算要求を出す手順に問題がある。本来、概算要求が提出されるのは、ある程度学内で計画が議論された後でないとまずいことは言うまでもない。文部省にしたって、概算要求を通した計画が東大や教養学部の内部事情でひっくり返ると言うことになってはたまったものではない。しかし、この計画は学生はもちろん、教員層にも秘密のまま提出され、概算要求が通ってから、「もう予算措置は決まったので、今から変更できませんが、何かご意見ありませんか?」と大部分の教官等へ初紹介されたと言うから呆れる。それが1991年の10月。なんせ概算要求を出した本人たちも「通ってびっくりした」と言ったそうだが、かくして1991年10月9日には臨時教授会は事後承諾した。学生自治団体に、その計画の所在を知らせたのは、1週間後の16日のことである。
 さて、ここでもまた冒頭の土地有効利用規定が学部当局の頭を悩ますことになる。駒場寮を廃寮にしたとして、その跡地はどうするかという問題である。万が一、跡地が更地になってしまえば、また非効率利用として召し上げられかねない。しかも今度は都心近くの一等地である。「通ってびっくりした」のが本当だとしたらば、寮跡地問題は一難去って又一難というところであったろう。そこで1993年6月、学部は「CCCL計画」なる厚生施設を中心とした駒場寮跡地開発計画を発表する。しかし文部省だって、自治寮を潰してくれたという「功績」はあるにしろ、そう簡単に学生や教職員のお遊び施設を作ってくれるほどお人好しではない。したがって予算は降りない。そこで教養学部60周年記念募金を募ることで、建設費用を確保するというのである。詳細は省くが、もちろん、こんな募金計画が成功するはずはない。しかし官僚対策としてなら意味はありそうだ。募金が1円でも集まっている以上は、跡地を効率的に利用しようとしているというアリバイにはなる。また、これだけ自助努力しているほど必要性がある施設なのだから、いつかは予算をくれという泣き落としの手段にもなろう。かくして、画餅とも言えるCCCL計画は一人歩きする。いや考えようによっては一人歩きしてくれれば十分使命は果たせるのだ。実際、マスコミなどでは新しい厚生施設のために駒場寮を潰すのだという報道がまかり通っている。
 現在、CCCL計画の北端の一部は予算が降りる見通しが出てきた。ところが、この建設計画では「残念ながら」寮を潰さなくても建てることが可能なのである。そこで、学部執行部は急遽、計画を変更して予定地を少しずらし、明寮の敷地とぶつけて明寮を潰さねばならないということにして、今年度中に明寮を潰すという宣言をしている。
 さて、話は戻るが、前述の1991年10月の臨時教授会ではさぞやもめたであろうと思われるとそうでもなかったらしい。そもそも教授会と言うところでは採決をしたりする事は滅多になく、学部執行部が「こうします」と報告し、いくつか意見が出ればそれを受け流して、「では次の議題へ移ります」という具合になんとなく進むものらしい。さらに上記のような土地有効利用とのからみまで入れると、事情は容易に飲み込めなかった教員たちも多かったとも思える。
 しかし、教養学部教授会がこうした単なる事後承諾をやらかしたのは、この時が初めてではなかった。この数カ月前にやはり臨時教授会が開かれ、ある重要なことを事後承諾している。しかもそれは教養学部教授会のメンバーが大人数ごそっと抜けるという、人事権に関わることであった。それは数理科学研究科(OBの大部分はご存じないであろうが、駒場キャンパスの東南隅にある建物がそれである)という新しい大学院を作るに当たって教養学部と理学部の数学教員をひっこ抜くという計画である。この計画は、本郷、駒場の数学系の教員の中の一部メンバーだけが文部省と秘密裏に交渉し、おおかた話が付いた後に公表された。そして計画の性質上、教養学部教授会の了承は必要であったのだが、この時も、「もう決まったから変更はできませんが…」という形で紹介され教養学部教授会はあっさりと事後承諾をさせられたのである。上述のように人事権に関して、一部の人間が文部省と決めたことを、鵜呑みにするしかなかったというのは、戦前の滝川事件などが人事権をめぐるものであったことを考えると、大変な事態ではないだろうか。したがって、こうしたことが先例となることは後顧の憂いを残すと思われるのだが、この決定法に対して批判らしい批判は表に出なかった。というよりも、むしろ教養学部もこうした交渉・決定様式を真似たのである。こうして90年代の全国の大学状況を席巻する「大学改革」、特に東大では「大学院大学化」が本格的にスタートする。もっともこうした方法は数理科学研が始めたのではなく、法学部に端を発するのだが、ここでは省く。
 このように、教養学部教授会は事後承諾に慣らされ始めていた時に、駒場寮廃寮が事後承諾されたのである。
 では、なぜ、そんな事後承諾に皆応じるのか?詳細は省くが、大学は理系文系それぞれの事情で、「大学改革」をせねばならないところへ追い込まれたことから始まると思える。組織改革は、通常、古い組織を潰し、新しい組織を作るという手順を踏む。その新しい組織の妥当性については、文部省が該当の審議会等に審議を依頼するわけだが、審議をパスしないとパーであるし、中途半端なパスのし方をされて新組織にふさわしくないと指定された人の首を切らねばならなくなることもある。その結果は審査してみなければ分からない。この一か八かの危険な賭けに当たって、本来は審査の当事者ではないはずの文部省の窓口官僚の心象や彼らがそれとなく漏らすヒント(?)が大きな参考資料となるらしい。こうした官僚へ出す書類作成や交渉は大変な労力となるのは言うまでもない。しかも、各大学が一斉に「大学改革」に乗り出している自由競争状態になっている以上、ことは急を要す。かくして専門に事に従事する作業グループあるいは小委員会といった教員集団が学部長室の指名で結成され、彼らが交渉しつつ、臨機応変な迅速な書類作りの中心となる。そして全学的に彼らをバックアップする総動員体制が引かれ、こうして上記の小委員会は、本来は学部長などの諮問機関や下請け機関に過ぎなかったものが、教授会に対して実質的な大きな権限を有することになる。こうして教養学部教授会は小委員会や作業グループのメンバーが文部官僚と下交渉してきたものごとを鵜呑みにするようになっていく。その大学院化だけでなく、建物の建設計画なども同様に進められているらしい。
 既成の教授会自治の制度では各委員会のメンバーは末端の各組織(××学科のようなもの)から代表として委員が選出され、その互選で委員長が決まる。しかし小委員会等は事実上、学部長室の意向通りのメンバーで固められる。したがって小委員会の決定を事後承諾しかしないというのは事実上、学部長室独裁制度の誕生に等しいのである。
 ところで東大では「大学院化」と言う形での組織改革が進んだが、上記のような文部官僚の心象をよくするためには、「大学院化」の影響で「良くなる点」というものが多ければ多い程良い。ということで、いわば文部省への「手土産」代わりの計画も作られる。1993年度からスタートした1・2年生の新カリキュラムもその産物のひとつであると言うことであるし、もしかすると駒場寮廃寮もそうかもと勘ぐりたくもなる。もちろん、こうした計画策定の事情も上記同様で、小委員会を中心に総動員態勢ができていく。また直接は大学院化に関連しないことでも文部官僚の機嫌を損ねるような事態だけは避けなくてはならなず、ひたすら身を低くして事が起こらないように自重する。実際、1991年に数理科学研究科を事後承諾し、その後で大学院化の計画を練り直したはずの教養学部が1994〜96年には大学院化を完了させてしまったのであるから、300名以上の教員を抱える大所帯には異常なほどスムーズすぎる進行状況であり、いかに皆が「一致団結」してこの5年間を乗り切ったかが忍ばれる。
 駒場寮廃寮計画はこうした状況下で、作業グループが文部省と交渉した「成果」として教授会に提案されたのであるとすれば、これをひっくり返すことは、同時並行的に進んでいる大学院化計画や建物計画をひっくり返すことにもつながりかねない。大学院化実現のための「手土産」としての計画であったとすればなおさらである。教養学部教授会が黙した事情はまさにこんな所だったに違いない。
 こうして出来た学部長直属の××小委員会という制度を使って進めようとする学部長室の独裁体制も順調なことばかりではなかった。1995年の教養学部学部長選挙で蓮見学部長の路線を踏襲する学部長候補が落選し、泡沫候補とされた現学部長の市村氏が当選したのがその現れと言われる(詳しくは「噂の真相」1995年2月号)。しかし、これに懲りるどころか、現在、東大当局はこうした小委員会の決定を以て教授会決定に代えるという改革を行おうとしているらしい。既に実質化している小委員会独裁体制を正式なものとして採用しようとしているのだ。こうした学部長の独裁体制を確立すれば、学内的には学部長の権限は強くなるが、対外的にはそうはいかない。これまで文部省に対して「私はごもっともと思いますが、教授会が説得できなくて…」という言い訳はもう通用しない。文部省が予算措置などを質にとって大学や学部に何事か実行を迫れば、大学側は総動員態勢をとってでも、執行部が文部省と約束したことを履行しなくてはならなくなる。現在も駒場寮生に対してやっているように地上げ屋まがいのことでも、動員されればやらなくてはならない。こうした状況が東京大学全体を覆いつつあるのかもしれない。いや、東大だけがだめになっていくのなら、まだいい。しかし、現実には各国立大学、場合によっては私立大学も東京大学に右に倣えする可能性は高い。実際に大学改革を巡っては「東大、特に教養学部があんなに文部省の言うことを聞いたから、我々はもっと聞かねばならなくなってしまった」という言がいろいろな大学関係者から聞かれると言う。この5年間ほどの東大教養の対応が日本の大学の文部官僚への忠誠合戦の水準を上げてしまったのである。
 95年の学部長選挙が、全国で進みつつある官僚直結型独裁システムにとって、駒場での最初のつまずきの石(それは見事に乗り越えられつつあるが)なら、駒場寮に立てこもった寮生達は二つ目の(そして現在では唯一の)つまずきの石なのだ。


   Top 10 Reasons to Go to the Zero-B Bar 坪倉省一

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Top 10 Reasons to Go to the Zero-B Bar

  1. キャンパスからいちばん近いカクテルバー。
  1. 花木・花金(死語?)のリフレッシュメント。
  1. 一杯200円の、カクテル価格破壊(これも死語?)
  1. 店の外にも待ち(なのか単に涼んでいたのかわからなかったが)ができる繁盛ぶり。
  1. 定員20人たらずの、せまい空間。
    初対面のとなりのお客さんと話がはずむ、ひろがりのある空間。
  1. つかみどころのない注文をすると出てくるオリジナルカクテル。[*]
  1. 駒寮にあるのはマージャン大会だけでないことがわかる。
  1. 駒寮がいまでも、よりしなやかに生きていることがわかる。
  1. 駒寮は変わっていこうとしている、ということがわかる。

[*] 「透明感のあるやつ」とか「色っぽいやつ」とかいった注文にも応えて
  くれました。
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■会計報告 1996.7.31

(省略)

  1. 駒場寮存続を支援する会」は、以下のことに取り組んでいます
    • 討論紙「いろは」の発行
    • 駒場寮と周辺の清掃活動への参加
    • 寮風呂の復興
    • 安定した電気供給
    • 寮風呂復興現するための資金集め
  2. 会報発行、上記の支援活動にカンパをお願いします
      郵便振替 口座番号 *****-*-******
      口座名称 駒場寮存続を支援する会
      (賛同費千円、カンパ使途の指定があれば通信欄に明記して下さい)
  3. 「いろは」への投稿を待ってます
      駒場寮への期待、寮生への激励、存続運動への意見、私の駒場寮経験など駒場寮存続を架け橋にした文章を載せていきます
  4. そして是非とも賛同、なにより参加をお願いします
      定例会議は月二回
      第二、四日曜日 午後2時から北寮9S

        連絡先 〒153 東京都目黒区駒場3-8-1駒場寮北9S

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