iroha 12

いろは 12



---------------------------------------------------------------第十二弾 目次
CONTENTS 12
■巻頭言 成瀬豊
■駒場寮1998
■『6・28裁判』の報告
■『明渡し裁判』の報告
■訃報・網政裕さん
■お知らせ

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駒場寮経験をつなぐ討論紙	98/3/31	投稿歓迎

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編集/発行:    駒場寮存続を支援する会
連絡先:        目黒区駒場3-8-1東京大学駒場寮北9S
電話:          ***-***-****
                **-****-****(呼)
共同代表:      成瀬 豊        (95,99期寮委員長)
                千葉 毅        (110期寮委員長)
WEB版           http://www.longtail.co.jp/iroha/
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巻頭言  成瀬 豊


 駒場寮は、大学当局による「廃寮」宣言後3年目の春を迎えました。自主入寮募集も4年目となり、寮生たちは充実した入寮パンフをつくって、積極的な情宣活動を繰り広げています。今春も多くの入寮希望者が訪れ、学生・新入生の間での駒場寮の必要性が浸透しつあるのではないでしょうか。
 電気・ガスの供給停止のため、旧寮食堂から引っ張った不安定な電源の下での生活が相変わらず続いていますが、寮生たちは「電気・ガスの供給再開」の仮処分申請に向け準備をすすめています。一方で、国側による明渡し訴訟は、寮生への訴状送達もすすまず、国側の思惑通り事態が進行しているわけではありません。
 明寮が取り壊された跡地には、学部当局が「キャンパスプラザ」と称する建物を建設中です。学部当局は、「運営協議会」方式による事実上の当局管理を導入しようとしていましたが、寮自治会・学生自治会の反撃で当初の目論見は頓挫しました。しかし、より隠微な形での学生自治介入を試みており、目が離せない状況が続いています。
 また、取り壊し予算執行期限の到来を理由に、旧南寮(第一研究室)が解体され、更地にされつつあります。しかし、跡地利用の計画が定まっているわけでもなく、バブル期の遺物であるCCCL計画(キャンパス再開発計画の一部)は、壮大な破産を遂げようとしています。
 当局内部の動きとしては、『いろは』9号でお知らせした「廃寮を前提としながらも寮地区に学生の自治スペースを設ける」などを教授会で提案した三教官が、この三月で退官しました。「OBとなっても…自律的な学生が育つ何らかの空間の確保を支援していきたい」(『教養学部報』での平澤教授の文章より)の発言にあるように、必ずしも「何が何でも廃寮にこだわる」という教官ばかりでもなく、教官内部の矛盾を拡大することが突破口につながるのではないでしょうか。
 ビラ・立て看板など寮存続に向けた学内情宣(対学生・教官とも)が少ないのが気にかかります。私たち支援者からも、現場で苦闘している寮生への激励・アドバイスが今まで以上に必要と思います。遠方からも激励の電報・郵便などが来れば、寮生たちもきっと励まされるでしょう。あわせて、支援活動の一層の充実のため、カンパへのご協力もよろしくお願いします(共同代表・成瀬豊)。

駒場寮 1998

1・7「キャンパスプラザ運営委員会協議会」★1準備会。自治委員長が会の解散を要求後、退席。
1・14学部によるビラ、『より良いキャンパスプラザを目指して』が出る。
1・15未明に寮裏の放置車両が全焼する不審火。
1・18
 19
大学入試センター試験。入寮募集のビラまきを行う。終了後、受験生を交えてお疲れさまコンパ。
1・21学友会クラス代表者総会。
 第一研究室(旧南寮)が解体に備えて仮囲いされる。
1・22学友会運動部代表者総会。
1・23学友会文化部代表者総会。「廃寮」反対派サークルの総会出席を妨害するために、学友会役員による代表者証の不正発行が発覚し紛糾、流会に。30日に再度召集された。
 
2月
2・2学友会クラス代表者総会。1・21の同総会で、理事の改選手続きに不手際があったため、評議員と理事の選出をやり直す。
2・5学生自治会の定例学部交渉。学部は学内寮の意義は認めるも、駒場寮の代替として三鷹国際学生宿舎を建てた以上、廃寮はやむをえないという従来と同じ官僚的答弁に終始。裁判を起こしたことについても、両者の意見に大きな隔たりがあるためやむをえないと開き直る。
2・6寮定例総代会。
2・13駒場寮公式ホームページ★2公開。
2・13すが秀美らによる「駒場寮廃寮反対連続自主ゼミ」の第4回が開かれる。
2・19対教授会行動。学部当局の寮食堂取り壊し方針に反対するビラをまく。
2・20東京地裁で、寮が明渡しを求められている裁判の口頭弁論(関連記事あり)。
2・25
 26
前期二次試験。駒場、本郷両キャンパスにて受験生に入寮案内パンフを配布。26日夜、寮で受験生お疲れさまコンパ。
2・27「キャンパスプラザ(仮)学部・学生協議会」が立ち上がる。★3
 
3月
3・1寮委員長選挙公示。
3・10前期合格発表(於・本郷)。合格者に入寮募集パンフを配布。

★1 駒場寮をはじめ、学生会館や寮食堂北ホール等の施設・スペースは、これまで学生自身の手によって管理運営されてきた。キャンパスプラザは学生だけが利用する施設ではないが、このキャンパスプラザ運営協議会は、単なる学部当局の参加だけでなく、学生自治・課外活動を学部管理下に置くことを狙うものだと考えられる。学友会、学館委員会、オリエンテーション委員会、KFC、北ホール委員会が参加。この時点では学生自治会は不参加。
★2 
http://www.netlaputa.ne.jp/~komaryo/
★3 「キャンパスプラザ運営委員会協議会」準備会は解散。新たに、「運営協議会方式をとるかどうかを含めて協議するための場」として、学生自治会を含めて組織された。学生側の参加資格は「学部が認めた学生自治団体およびオブザーバーとする」とされている。参加団体に関するこの条項は、寮側に指摘されるまで学生自治会も容認していた。


「6・28裁判」の報告


 昨年6月28日に教養学部当局が北寮東側入り口の取り壊し工事を強行した際に、警備員から暴行を受け大きな被害を被った支援者を含む4名が、永野三郎・小林寛道・生井澤寛の3教官と新帝国警備保障に対して損害賠償を求めた民事提訴(いわゆる「6・28裁判」)について、その後の経過をお知らせします。
 3月4日、東京地裁より原告の3名に対して、訴訟手続き費用の支払いを当面免除する訴訟救助の決定が出されましたが、原告の残りの1名については、残念ながら資力不足の疎明が足りないことを理由に訴訟救助申し立ては却下されました。したがって、彼の裁判提訴費用の26800円は原告負担となり、<支援する会>会計からの援助を検討しています。
 この決定を受け、第1回の口頭弁論が4月8日(水)午前10時からに東京地裁民事721号法廷にて開かれることに決定しました。
 <支援する会>では原告をしっかりとバックアップしながら、学部当局の強権的姿勢と警備会社の違法な暴力行為を糾弾し、これまでの姿勢を転換するように訴えていきたいと思います。裁判の経過は本紙で継続して報告していきますので、支援と注目をよろしくお願いします。(編集部)

「明渡裁判」の報告


 寮自治会などが国から駒場寮建物の明渡しを求められている裁判、いわゆる「明渡裁判」の口頭弁論が2月20日東京地裁で開かれた。本紙で既報の通り、前回、12月5日の口頭弁論では、日程の都合がつかなかったため、寮側代理人はだれも出廷できなかった。この日は事前に日程の打ち合わせ行われていたため、4人の寮側代理人と寮生を含む2人の学生が出廷。国側は永野三郎学部長特別補佐、小林寛道三鷹特別委委員長ら9名が出廷した。
 提訴以来初めて両者が法廷で対じしたわけだが、実質的な審理はほとんど行われなかった。当日になっても、訴えられたほとんどの寮生に訴状が送達されていない状態★だったからである。

国側代理人:裁判があまりに遅れている。全員に訴状が届いてから裁判を始めるのではなく、訴状を送達済みの者と未送達の者と分離して裁判を進めてほしい。
寮側代理人:きちんと所在確認をして全員に通常通りの訴状送達をせよ。訴えられた者の中には、実際に寮に住んでいない者も多数おり、それらの者に訴状が届かないまま裁判が進行するのは重大な問題だ。全員に訴状が届いてから一括して裁判を進行させたい。
裁判官:各人の部屋までは特定が困難なのか。
国側:そうだ。
寮側:寮生は寮に住んでいるし、住んでいない者は住民票を調べればわかるじゃないか。なぜもっとまじめに送達努力をしないのか。
裁判官:代理人の先生方の方で送達の円滑化は図れないのか。
寮側代理人:裁判を起こしたのは国側であり、我々は被告全員から委任を受けることになるかどうかも、現時点では判らない。そもそも、我々はこの問題は裁判手続きによる解決になじまないと考えており、国側は訴訟を取り下げるべきであるという立場であるから、送達に協力することはできない。

 激しい弁論の応酬があったが、結局、訴状が未送達の42人に関しては弁論を分離し、3月20日午前11時半に、第1回口頭弁論期日が指定された(なお、この期日については、後日、延期された。現在も訴状は届いていない。)
 ここまでで20分が経過し、当日の弁論時間の大半を費やした。

 ここから、ようやく、訴状が送達済みの3団体および寮生1名について実質的な審理が始まった。
 第一に、占有をめぐって。

国側:寮を共同占有しているのではないと言うのなら、個々人がここまでは占有していて、ここからは占有していないという範囲を明らかにせよ。
寮側:寮自治会以外の者は全体を占有しているのではない。それより共同占有の根拠、態様について、まず国側が明らかにせよ。
国側:それは既に仮処分判決が出ているのだから、そちらも知っているはず。
裁判官:この点については、双方、検討してほしい。

 ここで第二の争点に移った。大学が行った廃寮決定の効力(寮自治会らの占有権原)について。

寮側:廃寮決定の効力は認められない。争う。
裁判官:次回までに(寮側は)寮自治会の占有権原の主張をしてください。とにかく双方は資料・主張を早く出してほしい。(今のところ、双方ともごく限られた書面しか出していないから)裁判所は事件の筋がよくわかっていないのだ。

 最後に、寮側代理人が国側に釘を刺した。

寮側:大学はこれまで、電気・ガスの供給を停止するなどの自力救済行為をしてきた。
 本訴を提起した以上、大学は電気・ガスを正規の形で供給せよ。
裁判官:(驚いた様子で)それは全く知らなかった。
国側:・・・・・・(沈黙)。
寮側:それだけでなく、大学は、渡り廊下や寮風呂などを強制執行判決によらず取り壊すという自力救済行為も行っている。今後は決してこういうことのないようにせよ。

 以上約30分でこの日の審理は終了し、訴状が届いている者の次回口頭弁論は、4月28日(火)午前11時30分に指定され、裁判官から、双方に主張・立証の準備をするよう要請があった。

 寮の本訴は、提訴から半年経とうとしている現時点でも、実質的な審理にはいっていないばかりか、大半の者には訴状の送達すらなされていない。当日の裁判官の態度からも、性急に裁判を進めなければならないという緊張感は感じられなかった。昨春の明寮建物の明渡断行仮処分のときの国側の主張は虚偽で充満していた。本裁判では国=大学側の主張に対して、じっくりと反論し、寮側の正当性を主張していきたいものである(編集部)。

★ 当日まで裁判所は、書き留め郵便によって送達を行う通常の「特別送達」を行っただけであり、寮に不在の者は訴状を受け取れなかった。国側は、被告が訴状を受け取らなくても、書き留め郵便を発送しただけで送達がなされたことになる「付郵便送達」というやり方にしたいようだ。「付郵便送達」の場合、本人の訴状が届かないうちに裁判が進行することもありうるので、よほどのことがない限りなされるべきではない。
 今後、執行官が寮の各部屋を訪れて訴状を手渡す「執行官送達」が行われる可能性もある。いずれにせよ、訴状の送達に関して、これまでの国側の姿勢はあまりにいいかげんである。(編集部)


訃報・網政裕さん

 明寮明渡し断行仮処分の執行時に最後まで闘い抜いた網政裕さんが亡くなりました。あまりにも早い死でした。生前の活動に敬意を表わすとともに、ご冥福をお祈りします。

16日午後8時43分、肝臓がんのため京都市内の自宅で死去。22歳。告別式は18日午後1時から京都市山科区西ノ宮垣ノ内町9のセレマシティーホール山科で。(『しんぶん赤旗』1998年2月18日(水)より転載)

「最後の明寮寮生」網君を追悼する  森泰一郎
 網君との出会いは、奇しくも、昨年の明寮住み抜き戦で、同じ明寮寮生としてガードマン常駐の中で闘うこととなったときであった。といっても、漠然と住んでいただけの私とは違い、網君は教養学部学生自治会役員として先頭切って闘っていた。
 そんな網君が若くして亡くなり、ロートルの私が生きながらえているのは何とも苦い話である。願わくば、死せる網君が生ける駒寮死守の闘士として語りつがれんことを。


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