黄色い花が咲いて
それは5つの花を持った花
刈り取ってもうぼくの自転車の
じゃまをしたりしない
いつも枯れている木が
花をつけている
ピンク色と新しいピンクと
緑のまじった色
引っ越ししてしまった屋根の上に
朱色の花粉が落ちている
部屋にはホコリがいっぱいで
ぼくはただ見ているだけだった
十年間もたまったホコリなんて 1cmぐらい
折り目を合わせるため
空と空がぶつかる
思い切り走って帰ってきた自転車は
息がない
フランスにいる友だちの妹が
会いにきてくれという
その背広が
折り目を合わせる
解決しなかった
解決しようとした
あきらめる空は
ぼくのすぐ前
近づきも遠ざかりもしなかったホコリと 十年間の記憶
引っ越しするときは ニレの木の下をとおる
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