清水鱗造
小屋の 板が浮いてくるので 5寸釘を打つ 反りの力は とめることはできない 余りというものは 追求することで レポートも書ける でも余りは 反る板のように いつもヒトから浮き上がる 熱い昼の舗道に 虹の余剰が飛沫になって降ってくる 小屋は彩られた家になり また雪洞になる つかの間 余りを旅して それから飛沫が沈むと 葉裏が照りかえる 梅雨の晴れ間に 海のにおいがくる 道を歩いている