April 0742016

 クローバーに置く制服の上着かな

                           村上鞆彦

日、明日あたり入学式の学校が多いのではないか。真新しい制服に身を包みなじみのない集団に身を投じての学校生活が始まる。この頃はつらいニュースも多いけど思っても見なかった出会いもあり心弾ませて毎日を過ごしてほしいものだ。さて掲載句は新しく萌え出たクローバーの上に腰を下して制服の上着を脱いで置くという簡単なものだが、そこに春の明るい日差しと暖かさ、おそらくは上着を脱いで友と語らう若い人の快活な様子も想像されて好ましい。クローバーはシロツメグサとも言い春になると萌え出る柔らかい若葉が嬉しい。幸せが約束されると四葉のクローバーを探したり、もう少し季節が進むと白い花を摘んでせっせと花冠や首飾りなど編んだ。校庭や野原で外遊びする子供のいい遊び相手であり、初々しい人たちに似合いの植物だ。『遅日の岸』(2015)所収。(三宅やよい)




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