March 1832016

 鳥雲に子の妻は子に選ばしめ

                           安住 敦

雲には「鳥雲に入る」をつづめた春の季語。北に帰る雁・鴨・白鳥・鶴などの大きい鳥が一群となって雲間はるかに見えなくなる様を言う。さて結婚について、私の世代は見合い結婚と恋愛結婚の狭間にあったろうか。息子の嫁を親が決めていた時代が遠のきつつあった。安住にとっても、もう自由に嫁を探しなさいという時代にあったのだろう。しかし近時お見合いが商業化したところを見ると今も私の様に奥手の者が存在するのも事実だなあと実感する。縁は異なもの粋なもの恋愛も見合いも何かのご縁、どのような出会いも素敵なものである。時代は巡れどカリガネ達は万古の習いに従ってただひょうひょうと流されてゆく。清水哲男著『家族の俳句・歳時記』(2003)所載。(藤嶋 務)




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