January 2212016

 うたはねば冬のヒバリはさびしき鳥

                           筑紫磐井

らかに空高く唄う春の雲雀あり。オスの囀りである。美しい声、うららかな空、昇り詰めて一気に落ちて来る様など見飽きない楽しさがある。それに引替え唄っていない雲雀の何と淋しいことか。ましてや冬の雲雀となれば。いや唄っているのに気付かれぬ事が多い冬の雲雀でもある。その他筆者の自分史というか青春のアリバイとも言える叙述が諸々と治まっている。いや青春に対しての「青い冬」の叙述だったのかも知れぬが。<さういふものに私はなりたくない><恋人よ血が出ぬほどにかまいたち><昭和 あゝ 島倉千代子のうたふ恋>。『我が時代』(2014)所収。(藤嶋 務)




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