November 24112015

 いつも冬にあり木星の子だくさん

                           矢島渚男

宙情報センターによると、木星は太陽系のなかで最も大きな惑星であり、直径は地球の約11倍という。昔は汚れた雪だるまなどと呼ばれていた筋模様も、今ではハッブル宇宙望遠鏡のよりクリアな画像によって、美しい大理石のような縞模様であることが確認された。掲句の「子だくさん」たる所以は、衛星を67個も持つことによるもの。地球の衛星が月のひとつきりであることを思うと、11倍の大きさとはいえ、木星が肝っ玉母さんのように見えてくる。12月にかけて、空には明るい星がまたたく。明けの明星の金星に続き、木星、そして少し暗めの赤を放っているのが火星。宇宙の神秘を早朝味わうのもまた一興。『冬青(そよご)集』(2015)所収。(土肥あき子)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます