November 19 2015
冬銀河鍵一本の街ぐらし
荒井みづえ
都会ではなかなか見ることのできない冬銀河であるが、冬はきりっと引き締まった冷気に星の光が一段と輝く季節。掲句では銀河が鍵と響きあって、カチッと回転させる音まで聞こえてきそう。出歩くときは必ず持ち歩く住まいの鍵。一軒家は出るときの戸締りが大変で帰宅してからも何かと防犯の心配がつきないが、マンション暮らしは気楽なもので、分厚いベランダの窓を閉め、スチールのドアを閉めて鍵を回すだけで完了する。密閉性が高いマンションは孤立しやすいともいえるが、街ぐらしの気楽さに孤独はつきものである、一つ一つの星の瞬きが光の帯になる冬銀河と同様に孤独の灯が連なり銀河のようにまたたく都会の冬の夜である。『絵皿』(2015)所収。(三宅やよい)
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