September 01 2015
厄日来て糊効きすぎし釦穴
能村研三
今日は立春から数えて210日目。この時期は台風の襲来などで農作物に被害を受けることが多いため、厄日として注意をうながした。先人の経験によって、後世に自然災害のおそろしさを呼びかけ、またある程度のあきらめも許容しなければならないものという思いが見られる。掲句はきちんと糊の効いたシャツに腕を通す心地良さから一転し、糊でつぶれてしまった釦穴に釦を押し込もうとして募るイライラにふと、「いいことばかりは続かない」などという言葉も浮かぶ。「厄」の文字は、は厂(がけ)の下に人が屈んだかたちを表す。見れば見るほど、おおごとが起こりそうな、胸騒ぎを感じさせる文字である。〈馬通す緩ききざはし秋気満つ〉〈胡桃には鬼と姫の名手に包む〉『催花の雷』(2015)初収。(土肥あき子)
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