June 232015
夏至の日を機械の手入れして終わる
恒藤滋生
昨日は夏至。太陽が夏至点を通過し、北半球では一年で昼がもっとも長く、夜がもっとも短くなる。冬至と比べると、昼間の時間差は4時間以上にもなる。太陽を生活の中心とした生活からずいぶんと離れてしまった現代でも、同じ午後5時でもまだこんなに明るいというように、時間を基本としつつ日の長さを実感する。掲句は正確が取り柄の機械と、一年のなかで伸び縮みする太陽の動きとの取り合わせがユニーク。しかも、終日機械の手入れに関わっていたことで、人間はもう太陽とともに生きる生活には戻れないことも示唆しているようにも思われる。そこには、自然が遠く離れてしまったようなさみしさや切なさも漂うのだ。『水分』(2014)所収。(土肥あき子)
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