June 12 2015
翼あるものみな飛べり夏の夕
井上弘美
鳥類は空中を飛ぶために前足を発達させ翼を得たと言われる。翼あるものみな飛ぶ、飛行機だって両翼を持っている。ギリシャ神話のイカロスは鳥の羽を集めて、大きな翼を造った。高く、高く飛んでしまったため太陽に近づくと、羽をとめた蝋(ろう)が溶けてしまったそうだ。とある夏の夕暮れにねぐらへ帰る鴉を飽きることなく見送って妄想を燻らせる。わが人体を如何に浮遊させんか、、、さてそれからの吾が夢は一体どこへ羽ばたくのやら、夜が短い。他に<母の死のととのつてゆく夜の雪><月の夜は母来て唄へででれこでん><花食つて鳥は頭を濡らしけり>などあり。『井上弘美句集』(2012)所収。(藤嶋 務)
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