May 1652015

 さんさんと金雀枝に目があり揺れる

                           佐藤鬼房

関先に金雀枝の大ぶりの甕のような鉢が置いてあり花盛りだ。ほとんど伸び放題でどんどん咲いて散っているが、くたびれてぼんやり帰宅した時その眩しさを超えた黄に迎えられるとほっとする。我が家の金雀枝は黄色一色だが、掲出句のものは赤が混じっている種類だろう、おびただしい花の一つ一つが目のように見えている。一般的に、小さいものがぎっしり、という状態はそれに気づくとちょっとぞわっとするものだ。筆者にとってはピラカンサスや木瓜の花などがその類なのだが、作者にとってこの金雀枝はそうではない。金雀枝の風に遊ぶ自由な枝ぶりと初夏の光を湛えた花の色が、さんさんと、という言葉を生んで明るい。『花の大歳時記』(1990・角川書店)所載。(今井肖子)




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