March 2032015

 木漏日や雉子鳴く方へあゆみゆく

                           宮本郁江

太郎の岡山でなくとも日本中の河川敷きや藪廻りのどこにでも居る。まして農家の田畑の廻りでは今でも普通にみられる。小生の柏地区の利根川、江戸川ではよく遭遇する。ただ老眼の小生にはカラスっぽく見えるのだがバードウオッチのニコンのレンズを通せば立派に識別できる。早春の妻恋ひどきになれば人目憚らず鳴きしきるのである。木漏れ日の中カラスと見紛えていた旅人は「おお」とその方角へ歩み寄ってゆく。雉はケンケンと鳴く。<馬小屋に馬の表札神無月><人気なき午後の鞦韆風がこぐ><病む人に日曜はなく秋桜>。『馬の表札』(2014)所収。(藤嶋 務)




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