February 19 2015
かたくりの花やお尻を日に温め
岡本紗矢
かたくりは早春に耳を跳ね上げたようなうす紫の可愛い花が開く。花はうつむき加減で少しはにかんでいるように見える。目立たないけどそのたたずまいが魅力的な花である。東京でもかたくりの花が自生する場所があり、見に行ったことがある。掲句では、かたくりの花を見るのに腰をかがめて覗き込んでいるのだろう。突きだしたお尻に早春の明るい日差しがゆっくりと射している。かたくりの花の辺りはひんやりとお尻に当たる日ざしは暖かく、この時期のちょっとアンバランスな空気感が句に漂っていて心地いい。かたくりの根からとれる澱粉は今やほとんどないようだが、純正かたくりも残っているのだろうか。あるなら一度食べてみたい。『向日葵の午後』(2014)所収。(三宅やよい)
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