January 0112015

 俳句思えば元朝の海きらめきぬ

                           池田澄子

けましておめでとうございます。2015年、羊年の幕開けである。毎日夜は明けるけど元旦の日の出のきらめきは格別である。今朝も多くの人が山や海へと足をのばして、その瞬間を待ちわびたことだろう。正月と言えば宮城道雄の「春の海」。正月のたびかかるこの曲も元旦に聞くと気持ちが清々しく改まるように思える。そんなふうに気持ちをリフレッシュできる正月があってよかった。さて掲載句は「俳句思えば」のフレーズで5つのパートに分かれた章の締めくくりに配置されている中の一句。作者の俳句に対しての思いがめぐる季節と同体化して表現されている。この短くて短いが故に困難さと可能性を秘めたこの詩形を心から愛する作者にとって、まだ生み出していない俳句は元朝の日に寄せては返す波頭のきらめき。さて今年はどんな俳句とめぐりあえることだろう。『拝復』(2011)所収。(三宅やよい)




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