December 30122014

 生きてゆくあかしの注連は強く縒る

                           小原啄葉

連縄は神聖な場所と下界を区別するために張られる縄。新年に玄関に飾る注連飾りには、悪い気が入らないよう、また年神様をお迎えする準備が整ったという意味を持つ。現在では手作りすることはほとんどなくなったが、以前は米作りののちの藁仕事の締めくくりに注連縄作りがあった。一本一本丁寧に選別された藁は、手のひらで強く縒(よ)り合わせながら、縄となる。体温をじかに伝えながら、来年の無事を祈り込むように、注連縄が綯(な)われていく。『無辜の民』(2014)所収。(土肥あき子)




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