December 27122014

 おほかたは灯の無き地上クリスマス

                           亀割 潔

前目にした、宇宙から見た夜の地球、の画像を思い出す。煌々と輝いている灯の美しさに驚きながら、あらためてこれ全部電気なのだと複雑な気分になった覚えがある。それは、地球という生きている星に人間が寄生している証のようにも思えた。掲出句を読んで、あらためて国際宇宙ステーションからの映像を見てみると、眩い光は深い藍色の闇の中に浮きあがっている。掲出句の作者は、クリスマスツリーやイルミネーションの光から、それとはほど遠い彼方の大地やそこに生きる人を思っているのだろうか。自在な発想は<山眠る小石の中に川の記憶>などの句にも感じられる。『斉唱』(2014)所収。(今井肖子)




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