November 21112014

 梟を眺め梟から眺め

                           原田 暹

は鋭いカギ状の短い嘴と強力な爪のある脚を持った夜行性の肉食鳥である。だから普段は動物園くらいでしか見られないが、一度利根川河畔で見たことがある。その時は目の前でカラスと組んず解れずの大格闘をしていた。何を間違ってか、昼間その姿を見せてしまったのである。カラスは夜間は動けなく、夜行性の梟に度々襲われるらしい。特に子育て中の子ガラスは標的である。それやこれやで昼間は立場が逆転、勝負は圧倒的にカラスが優勢となる。揚句は梟が2回、眺めが2回でこれを「を」と「から」で結んで出来上がった。確かに梟を見ているとあのまん丸い梟の目からも見られているのかも知れないと思う。この作者と梟の間合いがどこか可笑しい。『天下』(1998)所収。(藤嶋 務)




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