November 06112014

 恋人は美人だけれどブロッコリー

                           小枝恵美子

ロッコリーって年中スーパーに並んでいるけどこれからが筍の冬野菜。煮込んだシチューにブロッコリーを取り合わせると鮮やかな緑が食欲をそそる。ブロッコリーを水っぽくなく茹でるのは易しいようで難しい。メイン料理になれなくとも他を引き立てる名脇役であり、栄養価満点の存在感のある野菜と言えよう。美人な恋人がブロッコリーなのが不満なのか、それとも満足なのか?「だけれど」の接続の仕方が意味深だ。何にでも便利で美味しいブロッコリーだから、美人だけど気取ってなくて味のある彼女なのだろう。友人がこんな言葉を呟いたら「ごちそうさま」と答えるといいんだろうな、きっと。『ベイサイド』(2009)所収。(三宅やよい)




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