October 12 2014
天道虫小さし秋空背負ひ来て
細谷喨々
確かにおっしゃる通りです。天道虫は小さい。漢字を当てると大きななりに見えるけれど、実際は小指の爪よりも小さい。掲句は五七五で読むよりも、「小さし」で切った方がよさそうです。ところで、天道虫は小さいという当たり前の事実に驚きながらそれを受け入れられるのは、背負っている秋空が天高く広大だからでしょう。空は青いゆえ、天道虫の朱色はくっきりとした輪郭を見せて存在を示します。生きているということは、大きい小さいではないな。むしろ、何を背負っているかではない かな。天道虫という名を背負い、秋空という実を背負っている天道虫の存在は、確かです。喨々さん。勇気をいただきました。ありがとうございます。句集では、「対峙してかぶきあひたる蜻蛉かな」が続き、こちらは歌舞伎役者が睨み合っているような蜻蛉です。「成田屋!」。これも、昆虫写真家のような構図のとり方が巧みで、ピントがバッチリ絞れています。『二日』(2007)所収。(小笠原高志)
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