October 09102014

 秋澄むと子犬を膝に乗せにけり

                           山西雅子

年は秋が早いようで、9月の終わりに早くも金木犀が香りはじめ、朝夕の寒暖差に早々に長袖を引っ張り出した。例年なら10月に入ってからが秋本番というところだが今年は晩秋の寒さも時折感じられる。「秋澄む」は大陸からの冷たい大気がおりてきて空気が澄み、風景はくっきりと、人の声、虫の声もはっきりと聞こえるもっとも秋らしい季候を表す言葉。暑い頃は撫でられるのも、近寄るのも厭う飼い猫や飼い犬たちも冷たく澄み切った空気に人懐かしくなるのか膝に寄ってくるようになる。膝の上で気持ちよさそうに身体を丸めて眠りはじめた子犬も主人とともに秋の気持ちよさを楽しんでいることだろう。『沙鷗』(2009)所収。(三宅やよい)




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