August 16 2014
上層部の命令にして西瓜割
筑紫磐井
西瓜割、そういえば一度もやったことがないので、あらためて想像してみる。目隠しされてやや目が回った状態で、周りの声を頼りに西瓜に近づき、棒を思いきり振りおろして西瓜を割るというか叩き潰す。場合によっては見当違いの方に誘導され、空振りしている姿をはやされたり、それはそれで余興としては盛り上がるのだろうが、割れた後の西瓜の砕けた赤い果肉と同様ちょっと残酷、などと思っていたら、西瓜割協会なるものがあり、西瓜に親しむイベントとして西瓜の産地を中心に競技会が開催されているらしい。消費量と共に生産量の減少している西瓜に親しむことが目的というが、そうなると西瓜割の危うさや残酷さは無くなる。重たい西瓜を用意するのも後始末をするのも命令された方であり、思いきり棒を振りおろす瞬間によぎる何かが怖い。『我が時代』(2014)所収。(今井肖子)
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