June 16 2014
夏帽子肘直角に押さへをり
梶川みのり
風が強いので、飛ばされないように手で帽子を押さえている。それだけのことを詠んでいるのだが、「肘直角に」が効いている。すらりと伸びた白い腕が、風のなかでしなやかに、しかも直角に位置していて、何気ない仕種にもかかわらず、健康的で伸びやかな若い女性のありようを一言で言い止めている。作者は女性だが、この視点はむしろ男のそれかもしれない。いずれにしても、ほとんどクロッキー風と言ってよい描写の的確さに、心地よい読後感が残った。句全体に、気持ちの良い夏の風が吹いている。『新現代俳句最前線』(2014)所載。(清水哲男)
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