March 2732014

 さくらさくら坂田利夫のやうな鯉

                           西原天気

っはっは、いるいる。水面にぼおーと丸い口を開けてなにやら愛嬌のある目玉がどこに焦点があっているかわからない感じで餌を待っている鯉の顔、「アホの坂田」と舞台に登場する坂田利夫の顔が二重写しになってクローズアップされる。確かに坂田利夫の底抜けの陽気さはさくら満開の春の雰囲気にぴったり。むかし吉本が今のように東京でもメジャーになる前、関西の深夜の番組で暴れまわっていたのが、坂田利夫と間寛平だった。当時は吉本興業がテレビの中心を席巻するとは夢にも思わなかった。それでも坂田利夫は昔と相変わらずのポジジョンで、池の中から時折浮かび上がってくる風情があっていい感じだ。今年の桜はいつごろが見ごろかな?『はがきハイク』(2013年5月号)所載。(三宅やよい)




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