February 2022014

 春の闇自宅へ帰るための酒

                           瀬戸正洋

いていると、仕事や自分の不甲斐なさ、同僚や上司の言動などに腹が立ち、収まりのつかないまま退社する夜もあるだろう。残業して遅くなっても、すんなり自宅へ帰る気持ちになれない。外のごたごたを家に持ち込まないため感情の捨て場が必要なのだ。酒を友にして気の置けない飲み屋で気持ちを静める。そういう読み方とは別に自宅が怖すぎて、帰れないケースだってあるかもしれない。競い合うようにみんな不機嫌。こちらの場合は火宅に帰る勢いをつけるための酒と言えようか。「春の闇」の柔らかさを思うと前者と考えたいがどうだろう。いずれにせよ酒は気を晴らすかけがえのない友であることに変わりはない。乾杯!『B』(2014)所収。(三宅やよい)




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