February 08 2014
白梅や百年経てば百年後
野口る理
梅の樹齢はそれこそ百年二百年、その花はほころんでからこぼれるまで淡々と早春を咲き続ける。風が吹いても、さして大きく揺れることもない静かな強さを持つ梅の木の前に作者は立っているのだろう。そんな時、理屈ではなくふと感じるもの、ヒトについてこの世について、考えたいような考えたくないような、言葉では到底うまく表せない何か、それがこの句から伝わってくるような気がした。見せかけの単純さや作為は見えず、作者自身がしかと存在している。それは句集のあとがきにある、「今」や「思い」を伝える手段としてではなく「俳句」そのものに向き合い作品にしていきたい、という作句姿勢によるものだろう。<曖昧に踊り始める梅見かな ><家にゐてガム噛んでゐる春休み >。『しやりり』(2013)所収。(今井肖子)
『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます
|