January 2312014

 地吹雪や嘘をつかない人が来る

                           大口元通

とはあまり縁のない土地で育ったせいで、吹雪の中を歩いた経験はない。「素人が吹雪の芯へ出てゆくと」と櫂未知子の句にあるように、方向さへ見失う吹雪は恐ろしいものだろう。では吹雪と地吹雪はどこが違うのだろう?手元の歳時記を引くと「地吹雪は地上に積もった雪が風で吹き上げられること。地を這うような地吹雪と天を覆うまで高く吹き上げられる地吹雪がある」と説明されている。天から降ってくる雪ではなくて、風が主体になるのだろうか。逆巻きながら雪を吹き上げる風の中、身をかがめ一歩一歩足元を確かめながら歩いてくる人、「嘘をつかない人」だから身体に重しが入って飛ばされないというのか、。誇張された表現が地吹雪を来る人の歩み方まで想像させる。ならば嘘つきは軽々と地吹雪に飛ばされてしまうのか、子供のとき読んだ「ほら吹き男爵」の話を思い出してしまった『豊葦原』(2012)所収。(三宅やよい)




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